第14回:トラクターのラジエータ水交換について

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今回は、クボタ・トラクタKL30のラジエータ冷却水の交換について記載します。

冷却水の役割と交換の必要性→冷却水について


必要工具と道具:  12mmボックス・レンチまたはメガネ・レンチ、バケツ、LLC(ロング・ライフ・クーラント)2ℓ、じょうご(又は水道ホース)、ラジエータ洗浄剤、水道水


冷却水(LLCの主成分はエチレングリコール)は産業廃棄物です。

交換後は整備工場やガソリン・スタンドなどで、廃棄委託(有料!?)して処分してください。


◎冷却水の交換とラジエータの洗浄…交換時期:2~3年毎、6ℓ(LLCとの混合水)

kl30 ラジエータ 吸水口ラジエータ・キャップを外します。

冷却水は熱いと危険なので、エンジン停止後は30分以上経ってから開けます。

左に回すと外れます。

また、ラジエータ・キャップの取り付け面(吸水口)が汚れていたら、ウエスなどで拭き取ります。


エンジン部の左右のカバーを外しておきます。

頭部12㎜正ネジボルト×4

kl30 ラジエータ 排水ドレン・ボルトを外し冷却水を抜きます。

ラジエータ・キャップを外してないと、勢いよく排水できません、

ドレン・ボルトは、ラジエータ・コアの右側真下にあります。
ちょうど、機番プレートの上辺りです。

パッキンを無くさないようにします。

頭部12㎜正ネジボルト(黒い樹脂製のボルト)

kl30 ラジエータ・キャップラジエータ・キャップの簡易点検をします。
…正確な点検にはテスタが必要です。

手でパッキン(ゴム部分)を触ってみて、亀裂、又は硬化していたら交換したほうがいいと思います。

また、このラジエータ・キャップはスプリングが見えないので、スプリングの錆付きと破損の点検は出来ません。

したがって、加圧弁(中間のパッキン部)を指で押し込んだ後、素早く元に戻ればよしとします。
押し込む時は抵抗(バネ圧)を感じます。

そして、負圧弁(中心部分)のパッキンが傷んでないか点検します。

通常、負圧弁は引っ張ると元に戻るタイプのものが多いですが、このラジエータ・キャップの負圧弁は、スプリングがないので引いても元に戻りません。
恐らく、高温時で加圧されたときに押されて密閉されるのでしょうか…

点検に自信がない場合は、交換したほうが無難かもしれません。


加圧弁を押している写真は撮影上、片手しか使えなかったので、負圧弁(中心部)を押しこんでいます。



冷却水を抜いたら、ラジエータとエンジンの冷却経路を洗浄します。

※キャビン使用なら、エアコンの温度調節レバーを最暖位置にします。

ヒータ・コア内の冷却水の循環…暖房は、冷却水の熱を利用する仕組みになっています。


排水時、錆や水アカが混じった汚水がでてきた場合…洗浄剤でラジエータを洗浄する

  1. ドレン・ボルトを取り付けます。
  2. 洗浄剤を吸水口から1本入れます。
  3. 水道水を吸水口元まで入れます。途中、下側のラジエータ・ホースを数回でいいので手揉みします。
  4. ラジエータ・キャップを取り付けず、少し高めのアイドリング運転します。…1300~1500回転くらい
  5. 水面があぶついて下がってきたら、1分くらい待って一旦エンジンを停止します。
  6. エアが抜けた分だけ水面が下がるので、再度、水道水を吸水口元まで入れます。
    (冷却経路全体を洗浄するため、洗浄中のオーバ・ヒートを防ぐためのエア抜きです。)
  7. ラジエータ・キャップを取り付けます。
  8. 再度エンジンを始動し、少し高めのアイドリング運転します。
  9. 30分くらい経過したらエンジンを停止します。
  10. ドレン・ボルトを外し排水します。…20~30分くらい放置して冷めてから行う。
  11. 冷却水路に残った洗浄液を抜き取るため、水道水のみで同じ事を2回繰り返します。
  12. 最後にドレン・ボルトを取り付けないで、水道水のホースを直接ラジエータ吸水口に差し込み洗浄します。
    きれいな水だけになったら完了です。

    ※目視で適当なので、神経質になる必要はありません。また、かなり時間がかかります。

排水時、LLC色がそこそこきれいに残った冷却水がでてきた場合…水道水のみでラジエータを洗浄する

  1. ドレン・ボルトを取り付けます。
  2. 水道水を吸水口元まで入れます。途中、下側のラジエータ・ホースを数回でいいので手揉みします。
  3. ラジエータ・キャップを取り付けず、少し高めのアイドリング運転します。…1300~1500回転くらい
  4. 水面があぶついて下がってきたら、1分くらい待って一旦エンジンを停止します。
  5. エアが抜けた分だけ水面が下がるので、再度、水道水を吸水口元まで入れます。
    (冷却経路全体を洗浄するため、洗浄中のオーバ・ヒートを防ぐためのエア抜きです。)
  6. ラジエータ・キャップを取り付けます。
  7. 再度エンジンを始動し、少し高めのアイドリング運転します。
  8. 20分くらい経過したらエンジンを停止します。
  9. ドレン・ボルトを外し排水します。…20~30分くらい放置して冷めてから行う。
  10. 最後にドレン・ボルトを取り付けないで、水道水のホースを直接ラジエータ吸水口に差し込み洗浄します。
    きれいな水だけになったら完了です。

    ※目視で適当なので、神経質になる必要はありません。

ラジエータの洗浄が終えたら、パッキンを忘れずにドレン・ボルトを取り付けます。

ドレン・ボルトは締め過ぎに注意します。
また、ドレン・ボルトのパッキンは硬化していたら交換します。

交換しなくても余程漏れることはないですが…



kl30 ラジエータ サージ・タンク サージ(サブ)・タンクに入ってる冷却水も交換するので、タンクを外して冷却水を抜きます。

サージ・タンクは平板状の固定金具に差し込んであるだけなので、上に持ち上げれば取り外せます。

少々硬いかもしれません。

ホース(エア抜き)付きの蓋は、つばを手で起こして外します。
この口はサージ・タンクの吸水口で、排水口にもなります。

下部ホースはラジエータの吸水口元に繋がっていますが、外さなくていいので、その状態のままサージ・タンクを逆さむけて排水します。
もちろん、外して行う事もよしです。

タンク内が汚れていれば、歯ブラシなどで掃除します。

排水と掃除が終わったら、サージ・タンクを取り付けます。

kl30 ラジエータ 吸水ラジエータに冷却水を入れます。

まず、LLCを1.8ℓ程入れます。
適当で構いません。

その後、水道水を吸水口から水面が見える程度まで入れます。

冷却経路で水道水と混ざるので問題ありません。

LLCは冷却水の30%占めるように入れます。
容量が6ℓなので、LLCを2ℓ程入れるということです。

適当に30%くらい入っていればOKです。

しかし北海道など寒い地方では、40~50%くらいにしたほうがいいと思います。

kl30 ラジエータ 循環ホース(下側)下側の循環ホースを手で数回揉みます。

これは効率よくエア抜きするための準備で、エアの停滞を防ぎます。

勿論エンジンを始動すれば、ウォータ・ポンプが回るのでエアは必然的に上に上がりますが…

この時、上側の循環ホースはサーモスタットが閉じているので、揉んでも意味がありません。

kl30 ラジエータ サージ・タンク 規定内の冷却水量サージ・タンクに残りのLLCを0.2ℓ入れ、水道水を上限レベル近くまで入れます。
適当で構いません。

但し、上限レベルを越えないことです。

蓋は上から押さえてはめます。

「カチッ」とした感触があります。


サージ・タンクとラジエータ・キャップの役割→

kl30 ラジエータ エア抜きエンジンを始動して完全なエア抜きをします。

ラジエータ・キャップを閉めずにエンジンを始動します。

アイドリングやや高めで(1300~1500回転)運転します。

始動後、ポコポコと小さな泡がでてきます。

6~8分くらいでサーモスタットが開き循環し始めるので、水面があぶつきながら下がります。

この時、多少こぼれるかもしれませんが、気にせず1分くらい放置します。
(この1分間でエアが完全に抜けます。)

その後エンジンを停止し、減った分の冷却水を口元一杯まで追加します。


※地域の気温と湿度によって、冷却水の温度上昇時間は異なります。

kl30 ラジエータ ラジエータ・キャップを閉めます。

右に回して1段2段といった感じの手応えがあり、確実に閉めたキャップは、取っ手の部分が横一列に並ぶ状態になります。

この後、直ぐにエンジンを始動し、アイドリングやや高めで(1300~1500回転)15分くらい運転します。

エンジン停止後1時間くらい経過したら、サージ・タンクの水量を点検します。

上限レベル近くあればOKです。

また、減っていたら上限レベル近く入れます。

但し、上限レベルを超えないことです。
大凡で構いません。


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作成日:2010/6/26