第18回:ウィング・モアのナイフ交換の仕方

農業機械の簡単メンテナンスTOPへ戻る




今回は、オーレック・ウィング・モアWM716のナイフを固定しているボルトが折れてしまった、また、袋ナットの角が摩耗してしまったため、外すことが出来なくなったナイフの交換方法を説明します。


必要工具と道具:  12㎜ボックス・レンチまたはメガネ・レンチ、19㎜メガネ・レンチ、ハンマ、潤滑剤


アーク溶接機セット(溶接棒~2.6㎜、面など)、酸素アセチレン溶接セット、タップ(8㎜、ピッチ1.25㎜)
適当なナット(頭部12~13㎜、頭部22~24㎜)、12~13㎜メガネ・レンチ、22~24㎜メガネ・レンチ、ディスク・グラインダ


※今回は、「ナットが摩耗して取れない」「ボルトが折れている」といった状態でしたが、アーク溶接と酸素アセチレン溶接を使い対処しました。


…他の方法→第1回:ボルトが折れた場合第2回:ボルトがなめた場合


WM716TL 刈高調整作業できる状態にします。

最初に「刈高調整レバー」を最上げ位置にして、車体を安定させます。

作業できる状態として幾つか方法はありますが、例えば軽トラックの荷台で作業する方法を説明します。

これは、荷台の後側にウィング・モアの刈り払い部を向けて、その刈り払い部を持ち上げて行う方法です。
地面からの地上高があり、荷台の後側のあおりを下すので作業し易いと思います。

まず1本の角材を、荷台の両側のあおりにロープで固定します。

そしてハンドルを下げた上体で、ハンドルを角材にロープで固定します。

これで、刈り払い部は持ち上がったままになります。

ここでは、フォーク・リフトと吊りバンドを使い、機体ごと吊り上げて作業しました。

WM716TL ナイフ取付ボルト折れ 袋ナット摩耗これは、左側のナイフ取付部です。

何故ナイフ取付ボルトが折れたのかは解りません。
初めてです。

まずは、ナイフ・ネックガードを取り外します。

中心部の袋ナット(頭部19㎜正ネジ)は、角が擦れてメガネ・レンチをかけても滑ってしまいます。

今回はこれより大きめのナットを、丸くなったナットに溶接して取り外します。

ちなみに右側のナイフ・ネックガードは、左ねじの袋ナットで固定しています。

WM716TL 袋ナット摩耗 取り外し頭部22~24㎜くらいの適当なナットでいいので、左写真のように溶接します。

溶接する前には安全を考慮して、燃料タンクのガソリンを抜いておきます。

繋ぎ目を溶接しますが、メガネ・レンチをかけることを考慮して、やりすぎないようにします。

全面溶接する必要はなく、対角線上に3~4箇所の溶接で十分だと思います。

回転軸にはオイル・シールが取り付いているので、連続で溶接せず、熱を冷ましながら休み休み行います。
しかしながら、そんなに気にする必要はありません。

また、溶接で工具をかけられなくなってしまったら、ディスク・グラインダで削ります。

ここでは、頭部24㎜のナットを溶接しました。
ナットは大きいほうが溶接し易く、緩め易いです。



WM716TL ナイフ・ネックガード ナイフ・ブラケット 折れたボルト左上からナイフ・ネックガード、ナイフ・ブラケットです。

そして溶接したナット、スプリング、平ワッシャです。

WM716TL ナイフ回転軸ナイフ回転軸です。

ナイフ・ブラケットが取り付く軸はスプラインになっています。

また、当然ながらオイル・シールが取り付いています。

WM716TL ナイフ・ブラケット 折れたボルト 取り外しナイフ・ブラケットです。

折れたナイフ取付ボルトは、幸い軸部が少し見えているので、ここに頭部12㎜又は13㎜のナットを溶接して外すことにします。

頭部12~13㎜のナットは通常、穴径8㎜でピッチ1.25㎜です。

溶接してしまうのでネジピッチは関係ありませんが…。

ここでも、工具をかけることを考慮しますので、ナットの穴部に溶接します。

WM716TL ナイフ・ブラケット 折れたボルト 取り外し 酸素アセチレン溶接錆などで膠着してボルトが緩まない場合は、酸素アセチレン溶接で熱して膠着を取ります。

まず、ナイフ・ブラケットを万力で浮かして固定します。

ナイフ・ブラケットのナット(ボルト軸部)を熱します。
この時、ボルト軸部にはなるべく熱をかけないようにします。

ナイフ・ブラケットのナットは普通のナットではなく、長さのあるカップリング・ナットなので全体を万遍なく熱します。
程よく赤くなるまで熱したら火を止め、色が戻る間に緩めます。

感覚的な事で難しいかもしれませんが、ボルトを捻り切らないように注意して緩めます。

ナットよりボルトのほうが高温(赤い)だと、膠着具合によっては緩める時に捻じ切れる可能性があります。

WM716TL ナイフ・ブラケット 折れたボルト 取り外し ナット溶接取り付いていたボルトは長さからして、専用ボルトではありませんでした。

とは言え個人的には、通常のユニクロ・ボルトでもしっかり締めておけば問題ない!?
と思いますが…。
いや、やはり強度が足りない!?折れます。

ナイフ・ブラケットのネジ穴は、タップをたてて修正しておきます。

軸径8㎜、ネジピッチ1.25㎜


取り付ける時は、回転軸のスプラインにグリースを塗付します。

WM716TL ナイフ取付ボルト 袋ナット専用のナイフ取付ボルトです。

最初から緩み止めのシール剤が付いています。

袋ナットは左側用の正ネジナットと、右側用の左ネジナットです。

当然ですが、取り付ける時はスプリング・ワッシャを入れます。

WM716TL ナイフ取り付けナイフは左写真のように、左右の刃の位相が90度角になるように取り付けます。

互いにぶつからないようにします。
遊び分があるので大体で構いません。

メガネ・レンチをハンマで叩いて増し締めをしておきます。

若しくは鉄パイプがあるなら、共回りしないようにナイフに挿して普通にしっかり締めます。

今回は、せっかくなので左右のナイフを入れ替えました。




過去の記載 / その他の記載


作成日:2010/11/9