第20回:ハンマーナイフ・モアの点検整備について

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今回は、オーレック・ハンマナイフ・モアHR661Aの点検整備について記載します。
搭載エンジンは三菱GM291Pです。

点検整備を定期的に行うことによって、調子良く使うことが出来るし機械は長持ちするものです。


点検整備内容は燃料コック(フィルタ)の掃除、エア・クリーナの掃除、シリンダ・フィンの掃除、ベルトの点検、タイヤ空気圧の点検、各ワイヤの油注し、オイル交換、ナイフ交換などです。


オーレック・パーツ・リスト


主に必要な工具、道具:  10㎜、12㎜、14㎜、17㎜ボックス・レンチ又はメガネ・レンチ、  10㎜、17㎜スパナ、ハンマ、潤滑剤、キャブレータ・クリーナ、ウエス、コンプレッサ、エア・ガン、タイヤ・ゲージ
低床廃油箱、エンジン・オイル1.5ℓ(ワイヤ等の注油分を含む)、ミッション・オイル(#80~90)1.6ℓ、グリース・ガン、歯ブラシ、灯油少々


◎燃料コックのストレーナ掃除

燃料コックのストレーナ掃除なので、燃料コックを閉じます。

ストレーナ・カップ(正ネジ)を取り外します。

10㎜のスパナで下部を緩めます。

多かれ少なかれ、このように汚れが溜まっています。

キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。

燃料コックを下から覗くと、パッキンとフィルタ(網)が付いています。

キャブレータ・クリーナを吹き付けておきます。

このようにストレーナ・カップ内をきれいにします。

フィルタをきれいにしてから、ストレーナ・カップを取り付けます。

パッキンとフィルタは、汚れが酷くない限り無理に外す必要はありません。


◎エア・クリーナの掃除

エア・クリーナ(湿式)の掃除です。

頭部10㎜の固定ナット(正ネジ)2本を外します。

エア・クリーナを取り外します。

チョーク・レバーは横へずらして外し、ブリーザ・ホースも外します。

黒いホースがブリーザ・ホースです。

オイルパンを取り外します。

左写真は、酷いゴミつまり状態です。

これだけ酷いと、エンジンはかなり調子悪いです。

分解掃除をしてきれいにします。

灯油に浸けて歯ブラシで磨き、最後はコンプレッサを使いエア吹きします。

エンジン・オイルを、オイル・パンに規定量入れて取り付けます。

OIL-LEVEL線まで入れます。


◎シリンダ・フィン回りの掃除

フライホイール回り(ファン・カバー内)をエア吹き掃除します。

頭部10㎜の正ネジボルト4本を外して、リコイル・スタータを取り外す必要があります。

リコイル・スタータの防塵網部分も、エア吹きしてきれいにします。

シリンダ・フィン回りをエア吹き掃除します。

とにかくエンジン回りをきれいにします。

ゴミ詰まりが酷い場合は、カバーを外して掃除する必要があります。



◎エンジン・オイルの交換…交換時期:50時間毎

オイル・キャップ(正ネジ)兼ゲージを外します。

ドレン・ボルトを取り外します。

頭部12㎜の正ネジボルトです。

オイル・エレメントはありません。

ドレン・ボルトです。

パッキン(ガスケット)を無くさないようにします。

オイル排出口が下を向くようにして、完全にオイルを抜きます。

刈り高さ調整ボルトを「高」方向に回します。

ドレン・ボルトを取り付けたら、エンジンを水平にします。

刈り高さ調整ボルトを「低」方向に回します。

エンジン・オイルを規定量入れます。

約1ℓ入りますが、オイル・キャップ(ゲージ)で検油して、上限レベル線「F」に油が付着するまで入れます。

検油はキャップを締めず、差すだけで構いません。


◎ミッション・オイルの交換…交換時期:オイル100時間毎

ミッション・オイルを交換するには、右側のタイヤを外す必要があります。

パンタ・ジャッキをミッション・ケースの底に入れます。

タイヤを取り外します。

固定ボルト(ナット共締め)を4本緩めたら、ジャッキ・アップして完全に機体を浮かせます。

その後ボルトを外し、タイヤを取り外します。

タイヤの固定ボルトとナットです。

頭部17㎜正ネジです。

ミッション・ケース下部に付着している土を落としておきます。

オイル栓を外します。

オイル栓を外さないとエアが抜けず、オイルは勢いよく抜け落ちません。

ミツション・オイルを抜きます。

廃油箱を置いてドレン・ボルトを取り外します。

オイル・エレメントはありません。

ドレン・ボルトは頭部14㎜の正ネジボルトです。

オイルが全て抜けたら、パッキンを入れてドレン・ボルトを締めます。

その後タイヤを取り付けておきます。

固定ボルトの本締めはジャッキを外してから行います。

ミッション・オイル(#80~90)を入れます。

1.6ℓ程入れてオイル栓をします。

入れ過ぎると、すぐに溢れ出してきます。

大体ですが、溢れ出す寸前で規定量です。


◎ワイヤとベルトの点検

サイド・クラッチ・ワイヤの点検です。

左右のレバーとも握ってクラッチが切れ、離して繋がる事を確認します。

正常なら停車時で繋がらなくても、車体を少し前進させれば繋がります。

レバー元から左右それぞれのワイヤに、潤滑剤(エンジン・オイル可)を注しておきます。

この時、走行レバーを「入」「切」しながら注します。

走行ベルトのカバーを取り外します。

頭部12㎜正ネジボルト3本で固定されています。

ベルトが摩耗、又は亀裂していないか確認します。

また、走行ワイヤとナイフ・ワイヤが楽に作動するか、レバーをそれぞれ「入」「切」して確認します。

手前にナイフ・ベルト、奥に走行ベルトですが、共にクラッチ「入」状態でベルトがしっかり張るか、そしてエンジン高回転時のクラッチ「切」状態で、ベルトがつられて回らないことを確認します。

つられて回る場合はベルト押さえを調整します。

次いでブレーキ・ワイヤの点検です。

走行レバーを「入」にした時に、楽にワイヤが作動(出る)しブレーキが解除されるか確認します。
その逆も確認します。

レバー元から、それぞれのワイヤに潤滑剤を注しておきます。

ロータリ側のベルト・カバーを取り外します。

頭部12㎜の正ネジボルト2本で固定されています。

ベルトが摩耗、又は亀裂していないか確認します。

プーリ間のベルト上側中央部を、指で軽く押して3~5㎜のたわみになっているか確認しますが、ピンと張っていれば良しとします。

張りが弱い場合はアジャスト・ボルトを調整して張ります。



◎ナイフの交換とナイフ軸の点検

ナイフ交換です。

軽トラックの上で、左写真のように後向きにしてからロータリを浮かし(エンジンは荷台床に付く)、ハンドルをロープで固定します。

第18回のウイング・モアのナイフ交換と同じで、軽トラックの上で行う方法がやり易いかと思います。

ロータリのフロント・カバーを持ち上げて固定します。

ナイフ・ドラムとカバー内側に付着した土を落とします。

フロント・カバーは、下がってこないようにします。

サイド・カバーにフロント・カバー落下防止の固定穴があるので、そこに適当なボルトとナットを入れておきます。

これで作業に十分なスペースができます。

ナイフを取り外します。

ナイフの取り付けは、頭部17㎜のボルトとロック・ナットで固定してあるだけです。

ロック・ナットなので、スプリングは必要ありません。

新品ナイフとの比較です。

ボルトは軸部が大きく凸凹に磨り減っていたら、交換したほうがいいと思います。

ナイフを取り付けます。

ボルトとナットは程よく締める程度で良いので、2つのナイフが自由に動く事を確認します。

ロック・ナットなので緩みません。

次いでにナイフ回転軸の点検をしておきます。

手で軸を回転させて重くないか、ガタツキがないか確認します。


◎その他…タイヤ空気圧の点検、プラグの点検、グリース・アップ

タイヤの空気圧を点検します。

キャップ(正ネジ)を外し、エア・ゲージを使い130kPa(1.3㎏/㎝2)程にします。

大体で構いません。

プラグを点検します。

中心電極の角が丸くなっていたら新品に交換します。

電極回りにカーボンが付着していたら、キャブレータ・クリーナを吹き付け、歯ブラシで磨いてきれいにします。

詳しくは…プラグ点検、掃除の注意

前輪フォークにグリースを注入します。

グリース・ガンを使い、真上にあるニップルからグリースを注入します。

使うグリースは何でもいいので、隙間から溢れ出るまで注入します。


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作成日:2011/2/7