第34回:ロータリの爪軸ベアリング・ケースのグリース注入について

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今回は、ロータリの爪軸ベアリング・ケースにグリースを注入する方法について記載します。

ここで説明するのはクボタ・ロータリRM180Rです。

ちょうど前回(第33回)の記載にあるロータリと同じタイプのもので、前回記載の補足だと思ってください。


チェーン・ケース側はオイル潤滑なので、オイル漏れの症状が現れたら修理とすぐに判断できますが、爪軸ベアリング・ケースはグリース潤滑なので、グリースが漏れるなんて症状はなく目視で異常を判断できません。

グリース潤滑切れが原因でベアリングが摩耗し、がたつきが酷くなり異音が出るようになって初めて修理する場合が多いです。

そうならないために定期的にキャップ(プラグ)を外して、ベアリングのグリース状態を確認する必要があります。

グリースはオイルと同じく経年劣化するので、新しいものに交換しなければいけません。
新しいものに交換と言ってもオイルのように交換するのではなく、詰め直し(補給)をするだけです。


グリースは経年劣化以外で、外部からの泥水の浸入による劣化もあります。

爪軸ベアリング・ケース側にも当然オイル・シールが付いていて、ベアリングに泥水が浸入しないようになっていますが、そのオイル・シールは消耗品なので、いつかその役目を果たせなくなります。

仮にオイル・シールが傷んで泥水が浸入していても、定期的にグリースの詰め直しをすれば大幅に修理の時期を遅らせることが出来ます。


爪軸ベアリング・ケースのベアリングの良否判断は、手で耕運軸を回して楽に回るかどうかや、耕運軸の回転音を聞いたりするなどして出来ます。



必要工具と道具:  17㎜ボックス・レンチ、マイナス・ドライバ、ハンマ、ウエス、グリース・ガン(グリース)


グリースの補給:150時間毎(ハローのようにシーズン毎に補給すると更に良いかと思います。)



保護カバーを外します。

爪軸ベアリング・ケースは、頭部17㎜のボルト3本でサイド・プレートに固定されていますが、その3本のボルトのうち真ん中を除いた2本のボルトを外します。

保護カバーを外すと左写真のようになります。

絶対に真ん中の固定ボルトを外してはいけません。

外すと耕運軸の軸受け固定がチェーン・ケース側だけになり、耕運軸は右下がりに落ち込みます。

取り外した保護カバーと固定ボルト2本です。

前項写真も含めて付着した土を軽く落とした後の写真です。

キャップを外します。

キャップのツバの部分にマイナス・ドライバの先端をハンマを使って打ち込み、少しづつ起こして外します。

キャップを外すとベアリングが姿を現します。

約200時間グリースを補給せずに使用した状態です。

代掻きに使っていないロータリだったので状態は良いです。

ウエスで古いグリースを拭き取ります。

ベアリングの玉(保持器)の表面に付いている分だけ拭き取ればOKです。
適当で構いません。

ついでに、キャップのシール部分と接合面もウエスできれいに拭いておきます。

ベアリングの玉にねじ込むようにグリースを打ち込んでいきます。

半周くらい打ち込みます。

ここで使用しているグリースは、2硫化モリブデン・グリースです。

マイナス・ドライバの先端などを使い、グリースをベアリングの玉全体に行き渡らせます。

手で耕運軸を回しながら行います。

グリースを詰め込み過ぎると、キャップを打ち込んだ時に内部の空気が逃げ場所を無くし外へ出ようとするので、キャップが外れてきてしまいます。

キャップをハンマで打ち込んでいきます。

ツバの部分を対角線上にずらしながら打ち込みます。

キャップ(プラグ)を取り付けた後の写真です。

後は保護カバーを取り付けて完了です。

この作業(爪軸ベアリング・ケースのグリース補給)はどこのメーカのロータリも同じで、キャップなのかカバーなのか、またはボルト(ナット)は何本なのか、といった違いがあるくらいです。




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作成日:2014/5/18