第7回:ロータリの油漏れ修理について
ニプロ製ロータリSX1700の、チェーン・ケース側の耕運軸に付いているオイル・シールの交換をします。
このロータリの耕運軸は、左右の軸継手と分離出来ないタイプなので耕運軸を外すのに少々手間がかかります。
主に必要な工具、道具:50㎜ボックス・レンチ(メガネ・レンチ)、12㎜ボックス・レンチとメガネ・レンチ、17~19㎜メガネ・レンチ、モンキー・レンチ、シノ、穴用スナップ・リング・プライヤ(直型CH4A)、スクレーパ、中~大ハンマ、小ハンマ(銅か樹脂)、叩き工具(マイナス・ドライバ、鏨)、丸パイプ(オイル・シール軸部打ち込み用)内径60㎜くらい、台車(キャスタ付き)、ウエス数枚、カップ・ブラシ・グラインダ、コンプレッサ(エア吹き掃除)、灯油少量(洗浄用)、ギヤ・プーラ(G6)、酸素アセチレン溶接(場合による)、液体ガスケット(場合による)
◎始めの状態
均平板を出来るだけ上げて固定します。
エンジンを始動し、自動耕深装置を切るか最深位置にし(このロータリは尾輪使用なので関係ないが安全のため)、ポジション・レバーを上げてロータリを適当な高さに上げ、エンジンを停止させます。
また、左右のサイド・カバーは外しておきます。
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チェーン・ケース内のギヤ・オイル#90を抜きます。(ケースを外せば抜けるのでどちらでもよい)
チェーン・ケース・カバーを外します。
この時、パッキンを破らないようにスクレーパなどを差込ながらカバーを外します。
破らなければ液体ガスケット を塗付して再度使用できます。 |
頭部50㎜の正ネジナットを外します。
緩み止めのために、ナットの一ヵ所が潰してあり、その部分を起こす。
ハンマで、マイナス・ドライバ、または鏨などを使い叩いて起こす。
※軸とナットの出面を覚えておきます。
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特殊な正ネジナットを外します。
緩み止めのために、ナットの一ヵ所が潰してあり、その部分を起こす。
ハンマで、マイナス・ドライバ、または鏨などを使い叩いて起こす。
※軸とナットの出面を覚えておきます。
↓↓↓ |
50㎜(差込角3/4インチ…19.1㎜)のボックスと外した50㎜の正ネジナットです。
50㎜ボックス・レンチ以外の工具で、50㎜のメガネ・レンチ 、またはパイプ・レンチを使ってもよいです。
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PTOレバーを1速に入れると耕運軸がつられて動きません。
外す時、ボックスがスカを食わないようにジャッキなどで支点を安定させるとやり易いです。
また、硬いときはパイプを挿し、てこの原理で言う力点を遠くします。 |
特殊ナットの叩き面(窪みのある箇所)に、マイナス・ドライバ(潰れても構わないもの)、または鏨などの「当て物」を左向きに当て、ハンマで「当て物」を叩いて左回転になる衝撃を与えます。
これを繰り返して外します。 |
チェーンと上下スプロケットを同時に外します。
また、チェーン張りも外します。
この後、チェーン・ケース側と母体側のパッキンの当たり面をカップ・ブラシ・グラインダでさらっと磨いておきます。 |
耕運軸は開放型ベアリング6309 一つを、穴用スナップ・リング一つで固定されています。 |
駆動軸はスラスト・ベアリングが使われています。
駆動側は関係ないのでこのままです。 |
サイド・プレートを外します。
…このロータリは、サイド・プレートを外してもフロント・カバーが落ちないのタイプなので、完全に外しておきます。
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4ヶ所全てのキャスタが自由に回転する台車が必要です。
台車を敷いたら、エンジンを始動しポジション・レバーをゆっくり下げて、耕運軸が台車荷台に軽く載る程度までロータリを下げます。
エンジンを停止します。 |
耕運軸を外すには、耕運軸に軸径より小さい銅ハンマを真っ直ぐ当てながら、大ハンマで叩いて押し出します。
(ネジ山を潰さないように気を付ける事)
銅ハンマ を当て物に使う事でネジ山が潰れるのを、ある程度防ぐ事ができます。
ネジ山を潰してしまった場合は、目立てヤスリでネジ山を修復します。
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固くて外れない場合は、酸素アセチレン溶接を使いベアリングを壊します。この方法はある程度技術がいるが、確実に外す事ができます。
この場合は、先にスナップ・リングを外してから行います。
ベアリングの玉を全て落としたら、簡単に耕運軸が抜けます。
そして、残ったベアリングの内輪と外輪は叩いて外れない場合、酸素アセチレン溶接で削りながら切断します。
やり過ぎて軸やケースを削らないように注意します。
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耕運軸を外したら、オイル・シールを外します。
シールのツバとケースの当たり面に、、マイナス・ドライバ先端をハンマを使って差し込み、ツバを順次起こしながら外す。 |
穴用スナップリング・プライヤ(直型CH4A) を使って、スナップ・リングを外します。
その後、裏側から「叩き棒」(叩き用に使える当て物なら何でもよい)
をベアリングに当て、ハンマで「叩き棒」を叩いてベアリングを外します。
また、固くて外れない場合は酸素アセチレン溶接を使い、ベアリングを削って破壊します。
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上から、穴用スナップ・リング、ベアリング6309 、オイル・シールです。
実物もこの順番で取り付いています。
ベアリングを取り付けるときは丸鉄パイプがあると確実に打ち込めます。
チェーン・ケース側→6309 :穴径45㎜
ベアリング・ケース側→6208 :穴径40㎜
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取り付けるのはこの軸付きオイル・シールです。
オイル・シール外した後は、ケースをきれいに掃除しておきます。へばり付いた泥や錆は、マイナス・ドライバなどで削り落とします。
その後、灯油付けの歯ブラシできれいに掃除し、、エアで吹き飛ばします。 |
軸付きオイル・シールは、このように二つに分かれます。
上からオイル・シール、シール・カラーとします。
(名称は私の憶測です)
取付はそれぞれ個別に取り付けます。
◎オイル・シールのはめ込みについて
入れ易くするため、シール外周全体(はめあい部)にエンジン・オイルを塗付します。
個人的に、グリースやギヤ・オイルを塗付するより、エンジン・オイルのほうが軟らかく滑りがいいのでシールのはめ込みに向いていると思います。 |
ハンマを使い、ツバの部分(外周部)を対角線にずらしながら打ち込んでいきます。
当然ですが、埃やゴミを極力付着させないため素手、またはビニール手袋をはめて行います。
ツバ全体がケースに当たるまで打ち込みます。
ツバがケースにあたると金属音が甲高くなるので分かります。また、叩き過ぎてゴムを破ったり、金属輪を変形させないように注意します。 |
マイナス・ドライバ先端を耕運軸のシール・カラーのツバの当たり面の隙間に、ハンマで叩いて差し込み、少しづつ起こして外す。
ドライバ先端の差し込み位置を少しづつずらして起こす。 |
膠着が酷く外れない場合は、酸素アセチレン溶接を使います。
炎で全体を炙りゴムの部分(はめあい部)を燃やします。
その後、マイナス・ドライバで簡単に起こして外せます。
耕運軸のベアリングとオイル・シールが密着する面をカップ・ブラシ・グラインダ でさらっと磨きます。
その後、灯油付けの歯ブラシできれいに掃除し、エアで吹き飛ばします。 |
丸パイプ(鉄や塩ビなど)で内径が60㎜くらいのものを使います。
耕運軸のシール・カラーの密着部全体に、上記同様エンジン・オイルを塗付します。
シール・カラーが傷つかないようにビニール手袋(透明の使い捨てのものなど)を被せて、その上に丸パイプを当ててハンマで叩いて打ち込みます。
始めはパイプ全体を叩いて打ち込み、最後は対角線にずらしながら打ち込みます。
上記同様に、金属音(叩き音)が変わるところまで打ち込みますが、シールのリップに当たる面を傷つけないように注意して行います。 |
メーカー製造段階では、プレス機などを使ってオイル・シールをはめているのかもしれませんが(知らないので憶測です)、
修理でのオイル・シール交換はこれらの方法で行います。
一般にチェーン・ケース側のオイル・シール、ベアリングを変えたら、ベアリング・ケース(反対側軸受け)のオイル・シールとベアリングも交換します。こちらはオイル潤滑ではなくグリース潤滑なので、交換後はしっかりグリースを注入しておきます。
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反対側のベアリング・ケースです。
ここででは、先にサイド・プレートを外します。
しかし、
チェーン・ケースと同様に耕運軸は50㎜の正ネジナットで固定してあるので、チェーン・ケース側の50㎜ナットを外したときに(PTO1速に入れる)、こちらも外しておくのが賢明です。
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ベアリング・ケースにがたつきがある場合は、大抵がこのように酷い状態になっています。
50㎜の正ネジナットは、チェーン・ケースの耕運軸のナットと同様の外し方で外します。
外す時のつられ回りは大型パイプ・レンチを耕運軸にかける、または爪に鉄パイプを挿す事で止められます。 |
大きめのギヤ・プーラ(G6) をケースにかけて外した後です。
ギヤ・プーラの芯軸が硬くて回らない場合は、芯軸をハンマで叩いて衝撃を与えては回します。
膠着が酷く外れない場合は、酸素アセチレン溶接を使い、チェーン・ケースの耕運軸と同じ手順でベアリングを削って破壊します。
外から穴用スナップ・リング、開放型ベアリング6208 、軸付きオイルシールの順なので、チェーン・ケースと同様のやり方で行います。 |
組み付けは、外した逆の順に作業していきます。
耕運軸をチェーン・ケースにはめ込むのは、逆にベアリング・ケース側の軸頭を、外す時と同様に軸径より小さい銅ハンマ を当てながら、大きいハンマで叩いて少しづつ入れていきます。
ベアリング・ケース側はこの時点で、グリースを詰めて蓋をするだけの状態まで組み付けておきます。
当然ですが、チェーン・ケースの耕運軸がはまるベアリング穴中心と耕運軸の軸芯の位置をしっかり合わせてから行います。また、オイル・シールのリップ回りと、シール・カラーにはグリースを塗付しておきます。
そして、ベアリングがはまる面はエンジン・オイルを塗付しておくと入れ易いと思います。
サイド・プレートの取り付けは、シノを使って穴位置を合わせるとやり易いと思います。
最後は、かなり端折った感じになりましたが、主に重要なところを記載しましたので多少なり役に立てたかと思います。
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作成日:2009/3/26 |