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第9回:田植機の苗取り量について - VP50 SPA5



マット式田植機の苗の取り量を、全条均一に調整する方法を記載します。

苗の取り量が各条ごとに違うと、植付苗1株当たりの本数、マット苗の減り具合が全条均一になりません。

今回は、ヤンマーVP50とクボタSPA5について記載します。
ともに植付部はロータリ方式です。


主に必要な工具、道具:10㎜ボックス・レンチ(SPA5)、12㎜ボックス・レンチまたはメガネ・レンチ、マイナス・ドライバ(VP50)、潤滑剤、段ボールの切れ端(硬めで形が崩れていないもの)

※より正確な調整をするには専用ゲージが必要です。


調整時の状態:下記の要領で、植付アームを手で回せるようにする。

クボタ田植機SPA5
エンジンを始動し、苗載せ台を最上位置まで上げてから、油圧作動を「固定」位置にする(落下防止)。
主変速は「ニュートラル」位置で、植付レバーは「入り」にしてから、エンジンを停止する。(植付クラッチの入り切りがモータ駆動なので作動させる)

クラッチ・ペダルを踏み込みロックする。

苗取り量調節レバーを一番「多い」位置にする。
ヤンマー田植機VP50
エンジンを始動し、苗載せ台を最上位置まで上げてから、油圧作動を「固定」位置にする(落下防止)。
エンジンを停止し、HMT無段変速は「停止」位置で、植付レバーは「入り」にする。

苗取り量調節レバーを一番「多い」位置にする。
その他の参考

※どちらの田植機にも言えることですが、専用ゲージを使う場合は、苗取り量調節レバーを一番「多い」にしてから標準に戻します。



ヤンマーVP50

植付ロータリ手で植付ロータリ・ケースを正回転させると、苗載せ台が横に移動します。

どの位置でも良いので、やり易い位置に移動させます。

苗取り量の調整方法左写真のように、苗載せ台の何れかの条に段ボールの切れ端をあてがい、その条の植付アームを正回転させて、段ボールに軽く爪先を接触させ穴を開けます。

爪跡を残して、基準となる取り量を決めるという事です。

これは、特にどの条で基準値を決めても問題ありません。

また、全ての条の取り量を確認してから、平均取り量を基準値にするのも良いかと思います。

注意:植付アームを正回転させるには、植付アームは触らず、植付ロータリ・ケースを手で正回転させて行います。


苗載せ台の他の条全てに、先程爪で穴を開けた段ボールの切れ端をあてがい、その条の爪先が段ボールの爪跡に触れるところまで植付アームを正回転させて、取り位置が合っているか確認します。

段ボールの爪跡と爪先が一致すれば取り量は同じということです。


取り位置がずれている場合は、植付アームの固定ボルト(頭部12㎜)を緩め、
マイナス・ドライバを使って、苗取り量調整アジャスタを右または左に回します。

爪先が上または下に動くので、段ボールの爪跡と合ったところで止め、植付アーム固定ボルトを締めて固定します。

これを順次、全ての条に行います。

ロータリ式なので、5条で10個の植付爪の取り量を合わせる事になります。

最後に、全ての植付爪が苗載せ台に当たらないことを確認し、苗取り量調節レバーを任意の位置に戻します。

植付ロータリ・カム植付アームは外す必要がありませんが、外すと左写真のようになっています。

植付アームの固定ボルト(頭部12㎜)を外すと、植付アームを外すことが出来ます。

植付アーム外した植付アームです。

植付ロータリに取り付けるには、植付ロッドを押しながらはめ込みます。

当然、カム部にグリースを充填してからはめ込みます。



クボタSPA5

植付ロータリ手で植付ロータリ・ケースを正回転させると、苗載せ台が横に移動します。

どの位置でも良いので、やり易い位置に移動させます。

以後、段ボールの切れ端を使い、VP50と同じ要領で行います。

植付アーム植付アームの調整は、2本の固定ボルト(頭部12㎜)を緩め、苗取り量調整アジャスタ・ボルト(頭部10㎜)を回して行います。

苗取り量調整アジャスタアジャスタの遊び分(植付アームのガタツキ分)があるので、植付アームを持ち上げた状態、つまり遊び分の片方を無くした状態で合わせてから固定ボルトを締める事で、より正確に合わせられます。



2009/6/10