エンジン・オイルの確認を長期間しなかった結末

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修理業に長く携わって感じる事は、エンジン・オイルを換えない、むしろ確認さえせずに何年も使い続ける人が割りと多くいる事です。

エンジン・オイルの量が不足していたり、汚れたままいつまでも使い続ける事がいかに悲惨な結末を迎えるか…。

一番最悪なのは、エンジン・オイルが殆ど入っていない事ですが、この場合エンジンは簡単に焼き付きます。


エンジン・オイルが殆ど入っていないと聞いて、疑問に思う方がいると思いますが、エンジン・オイルは少しづつ減っていくものなのです。

エンジン運転中は、主に燃焼室シリンダ・ボア表面に張り続ける油膜が、少しづつ燃料と空気の混合ガスと一緒に燃えてなくなるからです。


だから、使用前のエンジン・オイル量の確認が大事なのです。


高温なエンジン内部は、適正なオイルできれい且つ十分な油膜を張り、エンジンを潤滑、保護する事がとても重要です。


エンジン・オイルの量が不足すると、当たり前ですが、これが出来なくなるのです。

そして、汚れたエンジン・オイルは性能が劣化するので、高温になるエンジン内部を十分に潤滑、保護出来ないのです。



  潤滑油(オイル)の役割を詳しく



焼き付いたエンジンは、ただの鉄屑同然です。

まあ、鉄屑でも売ればお金になりますが、そうなる前に愛機のエンジン・オイルを必ず確認をしましょう。


焼き付いたエンジンでも修理すれば直りますが、修理代がかなり高額になるので、結果、新しい機械を購入したほうが良いという話しになってしまいます。



エンジン・オイルの交換目安


  管理機、汎用エンジン :  50~100時間毎、又は1年毎

  トラクタ、コンバイン :  100時間毎(フイルタは200時間毎)、又は1年毎


※エンジン内(クランクケース)のエンジン・オイルは、使用しなくても酸化して劣化するため、1年毎の交換が望ましいとされる。


◎エンジンが焼き付いた管理機

使用中にエンジンが停止した管理機です。

すでにリコイル・スタータが引けない状態なので、焼き付きを疑いエンジン・オイルが入っているか確認したら、やはり入っていません。

汎用エンジンを含め管理機のエンジンは、エンジン・オイルの規定量が特に少ない(主に1ℓ以下)ので、このようなオイル不足は致命的です。

一応、リコイル・スタータを外し手でフライホイールを回してみますが、やはり膠着して全く回りません。

エンジン・オイルが入っていない事とフライホイールが回らない事を確認出来た時点で、そのエンジンは終わりです。

ピストンが上下運動出来ない常態になっている、つまり焼き付いてしまったという事です。



◎エンジンが焼けると修理代が高額になる理由

前述のエンジン始動すら出来なくなった管理機とは違い、エンジンは始動するがエンジンから打撃(金属)音がするトラクタです。

オイル・ゲージにエンジン・オイルが付着しない状態で使い続けた結果、第2シリンダのシリンダ・ボア表面に縦傷が入ってしまっています。

ピストンを外すとピストン・リング回りもそうですが、コンロッド・メタル(ベアリング)も傷まるけです。

この摩耗したコンロッド・メタルが金属音の原因です。

軸受け部であるクランク・ピンとの間にがたつきが生まれているという事です。

当然、クランク・ピンにも傷が入っています。

ピストン・リングとコンロッド・メタルだけを交換して直る訳ではありません。

クランクシャフトも交換しないといけないし、 シリンダ・ボアは研磨しないといけません。

左写真で分かるように、修理するにはまずエンジンを下ろさないといけないので、かなりの手間がかかります。

そして、ほぼ全ての部品を外さないといけません。

これらの事情から、修理代が高額になる理由が分かると思います。