メカニカル・リレーを使った回路

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メカニカル・リレー(機械式継電器)は、励磁コイルと機械式接点で構成され、励磁コイルに直流電流を流して機械式接点をON/OFF制御するものである。
農業機械には、多くのメカニカル・リレーが使われており、トラクター、コンバインなどのバッテリ電源のものは直流で直流を制御し、乾燥機などの交流電源主体のものは、直流で交流を制御するメカニカル・リレーが多く使われる。
また、乾燥機などの制御盤のリレーには、無接点の半導体リレーも使われる。




■メカニカル・リレーの必要性



一定以上大きな電流が流れる負荷をそのままスイッチングすると、接点には火花が飛び焦げてくるので接触不良になり易くなる。リレーを使うと少ない電流でスイッチング可能になるので、ある程度火花を抑えることができ、一定以上大きな電流が流れる負荷には必要である。
他、電気的に独立した回路を制御できる。



■メカニカル・リレーの欠点


  • 動作が遅く、高速なものでも数msecの時間が必要。
  • 接点が閉じる瞬間に電気火花が発生し、その影響でノイズが発生。
  • 励磁コイルは電流をOffしたときに大きな逆起電力を発生し、その影響でノイズが発生。

★対策

電子回路からのAC100V負荷のOn/Off制御などには、電子回路へのノイズの影響による誤作動を出来るだけ防ぐ目的で、逆起電力対策としてダイオードを励磁コイルに並列に接続(逆起電力を吸収)、電気火花対策として接点に並列にバリスタを接続(電気火花を吸収)するなどがある。
また、トラクターやコンバインなどのDC12V電装品のOn/Off制御の場合でも、マイコンで制御されているものは逆起電力対策とノイズ対策はされている。

    …農業機械によく使われるDCモータの制御


■リレーの種類



農業機械で使われるリレーは、メカニカル・リレーが主体だが、他、リレーには多くの種類がある。

※駆動電圧、接点容量などにより多く種類があるので、適切なものを使う。

メカニカル・リレー
励磁コイルと、接点で構成された完全な機械式。ヒンジ型やプランジャ型などがある。
半導体リレー
発光ダイオードを内蔵し、サイリスタやトライアックなどの半動体を2次側に使い、光の入り切りで2次側を制御する無接点式。また、メカニカル・リレーより小型で性能が良い。トライアックはAC電圧を0Vクロス・スイッチで入り切りするので、火花が殆ど出ず、極力ノイズを抑えることができる。
ハイブリッド・リレー
メカニカル・リレーと半導体リレーの良いところだけを組み合せたもので、半導体素子を使い光の入り切りで2次側を制御し、2次側に半動体と機械式接点を使用したもの。
単極単投式(SPST)…single pole single throw
aまたはbの1接点が1回路
2極単投式(DPST)…double pole single throw
aまたはbの1接点が2回路
単極双投式(SPDT)…single pole double throw
切替接点が1回路
2極双投式(DPDT)…double pole double throw
切替接点が2回路
メーク接点…a接点(arbeit contact)
電磁コイルに電流を流すと閉路し、電流を切るとバネなどの力で元に戻る(開路)接点。(例)1aとは1極のa接点。
ブレーク接点…b接点(break contact)
電磁コイルに電流を流すと開路し、電流を切るとバネなどの力で元に戻る(閉路)接点。(例)2bとは2極のb接点。
切替接点…c接点(change-over contact)
電磁コイルに電流を流すとa接点部は閉路、b接点部は開路し、電流を切るとバネなどの力で元に戻る接点。(例)1cとは1極のc接点。




■良く使われる単極単投式、メーク接点のメカニカル・リレーの作動…自動車のホーン回路例



リレーを使った回路 ホーンの作動

  1. IG・スイッチをONにする。
  2. ホーン・スイッチを入れる。(押す)
  3. この時、ホーン・リレー内の励磁コイルには一定の電流が流れ電磁石となるので、接点付きの鉄片が吸い寄せられて、接点が閉じOn状態になる。
  4. 接点が閉じると、ホーン低音と高音に電気が流れるので、音が鳴る。
  5. ホーン・スイッチを切る。(離す)
  6. この時、ホーン・リレー内の励磁コイルへの電流が遮断されるので、接点付きの鉄片は元に戻り、接点は開きOff状態になる。
  7. 接点が開くので、ホーン低音と高音に電気が流れなくなり、音が止む。





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作成日:2007/8