リコイル・スタータ

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リコイル・スタータは手動でエンジンを始動させるもので、主に単発のガソリン・エンジンに使われる。

セルモータはバッテリから動力を得るが、リコイル・スタータは人力なので重量は軽くメンテナンスは簡単で、コストも安く済む長所がある。

リコイル・スタータは、紐を引いた時のみにスタータ内部に設けてある爪が飛び出し、クランクシャフト軸(フライ・ホイール外側)に取り付けられたカップ(スタータ・プーリ)の内側に引掛り、強制的にクランクシャフトを回転させるのでエンジンを始動させることができる。

また、紐はゼンマイによって元に戻り、その時同時に爪も中心部に納まるようになっている。

従来は、紐を速く引く程クランクシャフトの回転速度が速くなる構造で、エンジンを始動させるのに紐をある程度力強く速く引く必要があったが、現在では、紐を力強く速く引かなくてもエンジンを始動できる構造になったものが主流である。

これは、紐を戻す細いゼンマイとクランクシャフトを動かす太いゼンマイの2重構造からなり、紐をゆっくり引くだけで内部の太いゼンマイが遅れて働き、紐を引いた同方向に速くて強い回転力で半自動的にクランクシャフトを回転させるものである。


◎リコイル・スタータの紐交換の仕方

リコイル・スタータ 分解従来からの一般的なリコイル・スタータの紐交換の仕方を記しましたので参考にしてください。

古いもので、中にはゼンマイ部分を外さなければ紐交換出来ないものもありますが、間違っても紐以外のゼンマイ部分を外さないようにします。

ゼンマイ部分を外してしまうと、入れ直すのに多少苦労するかもしれません。

左写真は、一般的なリコイル・スタータを分解した状態です。

ちなみに、この状態ではゼンマイが抜ける恐れ(紐が戻らない)があるので、ゼンマイ中心部の軸ツバにかかる部分を、ラジオペンチなどでもう少し曲げる必要があります。


現在の2重ゼンマイのものも、基本的には下記に述べる紐交換の仕方と同じです。


リコイル・スタータエンジンからリコイル・スタータを外します。

殆どのものが、6㎜(頭部10㎜)のボルト3~4本で締めてあります。

紐を外す取っ手とスタータから古い紐を外します。

紐は引いた状態を維持して、結び目のあるほうから抜き取ります。

紐 1.5m位で出来るだけ同じ太さの紐を用意します。

紐を通し易くするため、紐の両端の先端をライタで軽く炙って、先端を指で固めておきます。

熱い時は軍手などをはめて行います。

紐を通す左写真のように紐を通します。

うまく通らない場合は、針金を利用したりします。

また、紐をラジオ・ペンチで掴んで、穴に入れる引き出すなどして行います。

結び目を作る紐を通したら結び目を作ります。

一番簡単な結び目で十分なので、結び目を作ったらペンチなどで端を力強く引いて絞ってから、ライタで結び目を軽く炙り固めます。

注意すべき事は、結び目の根元を炙らない事とやり過ぎない事です。

炙り過ぎると紐が切れ易くなります。

紐を端まで引く結び目が収まる所まで紐を引きます。

ゼンマイを巻く結び目の反対側に紐を回すための溝があり、紐を手で持ち結び目からそのまま時計回りに丁度180度紐を掛けながら、溝の位置で外に出します。

溝に紐を掛けた状態を維持しながら回転部を押さえ、ケースだけを時計の反対回り(紐は右回り)に回せなくなるまで回転させます。

ゼンマイの戻ろうとする力が働きますが、負けずにその状態を維持します。


※写真のものと反対回転のリコイル・スタータでは、紐の掛け方も逆になります。

一時的な結び目前項の状態を維持しながら、紐の先端を中から外に通し、紐が戻らないように一時的に結び目を作って止めておきます。

取っ手に紐を通す取っ手に紐を通してから結び目を作ります。

結び目を作ったらペンチなどで端を力強く引いて絞ってから、ライタで結び目を軽く炙り固めます。

注意すべき事は、結び目の根元を炙らない事とやり過ぎない事です。

炙り過ぎると紐が切れ易くなります。

完成一時的に作った結び目をほどくと、ゼンマイの力で紐が巻かれて完了です。



作成日:2007/7