| 田植機 | 農業機械の簡単メンテナンスTOPへ戻る |
田植機は、水稲の苗を決まった条間と株間で強制的に植え付けていく機械で、歩行用と乗用があり、またそれぞれマット苗用とポット苗用がある。 マット苗とポット苗ではそれぞれ専用の育苗箱を使い、植え付け時に適した葉令なども違う。マット苗では主に稚苗(2~2.5葉)~中苗(3.5~4.5葉)の苗を植付け、ポット苗は主に中苗~成苗(5~6葉)の苗を植え付ける。 現在、マット苗用の田植機が多く使われているが、他、独自の方式で専用の育苗箱を使うみのる式がある。 乗用田植機は4条、5条のものが多く使われるが、6~8条の大型のものや、3条の小型のものなどがある。また、歩行用では主に2~5条のものが使われる。 他、アタッチメントとして施肥装置を取り付けたものなどがある 田植機は、歩行用も乗用も殆どのものが4サイクル・ガソリン・エンジンを動力としているが、6条以上の大型機械ではディーゼル・エンジンを動力としているものもある。 始動について 保管について 作業前の準備 田植機の植付に関する不調と処置 各名称の意味、使い方 |
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乗用田植機の始動には、急に動いたりするのを防ぐため一般に安全装置としてセーフティ・スイッチを設けている。 セーフティ・スイッチはクラッチ・ペダル下に取り付けていることが多く、クラッチ・ペダルを踏み込まないとエンジン始動出来ないようになっている。 セーフティ・スイッチは、一般にキー・シリンダのST端子とセル・モータのS端子間に設けていて、スイッチが入る(導通する)とセル・モータが回せる状態になる。 他、セーフティ・スイッチは変速レバー元に取り付けたものなどあり、ニュートラルにしたときにスイッチが入るようになっている。 始動手順…4サイクル・ガソリン・エンジンの始動、故障診断とその対処
注意 |
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田植機は翌年の田植え時期まで約1年間使用しないため、正しい保管をしないと再使用時にトラブルが起き易くなる。 長期保管の仕方、注意事項
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◎構造 |
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主クラッチ(メイン・クラッチ) エンジンからの動力は主クラッチを経て、トランスミッションのギヤで変速、減速され、さらに前後輪車軸ケースでも減速されて4輪に伝達される。 主クラッチは、自動車同様シートに座って左足側にあるが、その動力伝達の種類はトランスミッション・ケース(ギヤ・ケース)内に常時ギヤ・オイルに浸されている湿式クラッチや、エンジンからトランスミッションへコグ・ベルトやVベルトを使いテンション・プーリでベルトを張ったり緩ませたりするベルト式クラッチなどがある。 ●主な特徴
●主変速、副変速…無段変速 一般に主変速は、植付(1速)、走行(2速)、R(後進)で、副変速は低速と高速に分かれているが、現在、トランスミッション内の湿式クラッチで動力を断続させて、クラッチは繋いだままでも無段変速が可能な装置を主変速または副変速に設けてるものが主流である。 これは右図のように、運転中エンジンからトランスミッションへ常時コグ・ベルトが回転して動力伝達させ、プーリの幅を自在に変えて回転数を変更できるものや、油圧モータの出力で無段変速走行ができるHST装置を使ったものがある。 この装置は、クラッチ・ペダルを踏まずに変速ができ、さらに変速による衝撃がないので、田圃への出入り(畦越え)がし易くなる。 コグ・ベルトを使った無段変速装置は、各スイッチ、センサからの電気信号をマイコンで計算し、アクチュエータを制御してプーリ幅を自在に変えるものなどある。 最近では、無段変速とエンジン回転を連動させたものがあり、これはアクセル・レバーがなくエンジン回転が変速に応じて自動で変化するようになっている。 |
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| サイド・クラッチ 乗用田植機の後輪はトラクターとは違い作動装置がなく、後輪車軸ケース内に左右それぞれサイド・クラッチを設けて、旋回時に旋回側のブレーキ・ペダルを踏むことによって、内側の車輪のサイド・クラッチが切れてニュートラル状態になりスムーズに旋回することができる。 後輪車軸ケースは、大きく分けてシャフト・ピニオン、ベベル・ギヤ、サイド・クラッチ・アッシ、湿式ディスク・ブレーキ・アッシ、ファイナル・ギヤなどで構成されている。 ブレーキ ブレーキは乾式と湿式があり、現在は常時油に浸されている湿式ディスク・ブレーキが主流である。ブレーキ・ペダルを踏込むと、サイド・クラッチが切れ、ブレーキがかかる構造になっている。 ブレーキ・ペダルはトラクターと同じで左右に分かれていて、道路走行、運搬時は左右のペダルを連結し、圃場では連結を解除する。 最近では、クラッチとブレーキの両方の役割を1つのペダルで行うものが増えてきている。これはペダルがシートに座って右足側に1つあるだけで、旋回時には従来のようにブレーキ・ペダルを踏む必要がなく、ステアリングを回すだけで自動的に内側の車輪のクラッチが切れ、更にブレーキがかからない構造になっているので、枕地を荒らさずより無駄の無い旋回ができるようになっている。 ■サイド・クラッチの調整…右図例の場合 後輪車軸ケース内、左右それぞれにサイド・クラッチ・アッシ、湿式ディスク・ブレーキ・アッシが設けてあり、使用時間過多などにより調整が必要になる。但し、あまりにも使用時間過多によって湿式ディスクなどが磨耗してるものは分解し交換する必要がある。 点検内容
調整方法 ブレーキ・ペダルを10回以上踏込んでからクラッチ・アームを作動させる。 その後、ブレーキ・ペダルの遊び量が先端で20~30㎜であるか確認する。範囲外であれば、クラッチ・ロッドのアジャスタを調整して遊び量を範囲内にする。 ※調整時には、クラッチ・アームを引き過ぎた状態でブレーキ・ペダルを踏込まないように注意する。 |
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田植機のトランスミッションは、前輪車軸ケースと繋がっていて、湿式クラッチ・アッシ、走行変速ギヤ、植付株間変速ギヤ、油圧ポンプ、パワー・ステアリング・システムなどで構成している。そのため、ギヤ・オイルは作動油も兼ねているので#80W、90の専用オイルを使用する。 田植機は常時4輪駆動だが、後輪を回転させるため単体で役割を担っている後輪車軸ケースへはシャフトを介して動力を伝達している。 また、植付部への動力の伝達もトランスミッションからシャフトを介して伝達される。 植付クラッチ 植付クラッチとは、植付部を作動させるためのクラッチで通常植付レバーを入れるとクラッチは繋がるが、ワイヤや電気式モータなどを使い入り切りする構造になっている。 一般に植付クラッチはドグ・クラッチになっていて、トランスミッション内で株間ギヤ部に取り付き、ギヤ・オイルによって保護されている。 植付クラッチが繋がると、トランスミッションと植付部に連結されたシャフトが回転するので植付部は作動する。 ●安全装置(トルク・リミッタ) 植付部に石などの異物を噛み込んだときに、植付装置を保護するもので、全ての田植機はこの装置を設けている。植付作業中に「カチッ、カチッ」と音がしたらトルク・リミッタが働いたことになる。この場合、速やかにエンジンを止めて原因を取り除く。 ■植付クラッチの調整、点検…右図例の場合、ワイヤ式 植付レバーを切ったときはワイヤが引っ張られクラッチ・アームが左方向に動くので植付クラッチが切れる。また、植付レバーを入れるとクラッチ・アームは右方向に動くので植付クラッチが入る。 これは、トランスミッション内で植付クラッチ(ドグ・クラッチ)はスプリングで押され続けているので、仮にワイヤが無い場合には常時繋がっているということになる。 点検内容 株間切替レバーがどれかに入っていることを確認してから(通常は一度入れたら触らないのでニュートラルにはなってない)、エンジンを始動し植付レバーを上げ、苗載せ台を最上げ位置に固定しアイドリング状態にする。そして、苗載せ台落下速度調整弁(油圧ロック弁)を完全に閉めてから植付レバーを植付位置にする。 主変速、副変速は共にニュートラルで植付部が作動しない場合は、主変速か副変速のどちらかを植付(1速)、または低速に入れ、植付部が作動する状態にする。分からない場合はゆっくり走行して確認する。 植付レバーを入れたらすぐに植付部が作動し、植付レバーを下げ位置にしたときに速やかに植付部が停止するか確認する。植付レバーの入り切りを数回繰り返して確実に作動、停止すれば良い。 植付部が動かない原因は、主にワイヤの膠着、ワイヤのアジャスタ調整不良、クラッチ・アームの膠着などである。 植付部が止まらない原因は、主にワイヤの断裂、ワイヤのアジャスタ調整不良、クラッチ・アームの膠着などである。 ※点検中、植付部のプランター回り(エプロンと植付爪の間)には絶対に手を近づけないようにする。突然動き出す可能性があり危険である。 調整方法
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| 株間ギヤ 株間ギヤは植付部を作動させるギヤであり、植付ける進行方向の苗と苗の縦幅(株間)を決めている。 株間ギヤは、一般にトランスミッション内で主変速ギヤ、ベベル・ギア(PTO部)などと噛み合い、外部から数段階に変速可能になっている。 田植機に組み込まれている株間ギヤは一般に3.3㎡当り60株前後植え付ける仕様のものが多いが、ギヤを入れ替えることによって疎植(荒植え)に出来るものなどがある。 また、横幅である条間は予め全ての機械が30㎝と決まっているので変更できないが、一部北海道向けに33㎝のものもある。 田植機が圃場を走行すると、少しずつスリップすることからスリップ率を設けている。 一般にスリップ率を10%として植え付け走行したとき、その機械に表示されてる株数を植付けるように株間ギヤが組み込まれている。 従って、実際には圃場の条件によって多少変わる。 ●条間30㎝使用の株間 |
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| 3.3㎡当り株数 | 90 | 80 | 70 | 60 | 55 | 50 | 45 |
| 株間(㎝) | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 | 21 | 24 |
油圧装置…油圧ポンプ 油圧装置は主に苗載せ台の昇降装置として使われ、作動油(ギヤ・オイル)を油圧ポンプを使いシリンダなどに圧送させている。 油圧ポンプはトランスミッション側面などに取り付けられ、右図のようなベルト駆動とトランスミッション内でのギヤ駆動があり、パワー・ステアリングの動力や苗載せ台を上げる動力を生み出し、他、HSTでは油圧モータへギヤ・オイルを供給するなどしている。 ●オイルについて トランスミッション・ケース(ギヤ・ケース)を油タンクとしているので、ギヤ・オイルが作動油の役目も兼ねている。ギア・オイルは一般に#80、90などの作動油兼用オイルが使用される。 ●オイルの流れ…苗載せ台昇降 一般にオイルは、エンジン運転中油圧ポンプが回転するとトランスミッション・ケースからオイル・フィルタを経て油圧ポンプへ吸入され、油圧ポンプから排出され続けるオイルは油圧配管を経由してコントロール・バルブに圧送される。 コントロール・バルブとは、上昇、下降回路へ流れるオイルの流量を制御するもので、コントロール・バルブに圧送されたオイルは以下の状況で流れが変わる。
油圧回路は安全かつ機器を保護するため、メイン・リリーフ・バルブを設けて最高圧力を制限している。 田植機の油圧回路の最高圧力は約140㎏f/㎝2である。 ●自動制御装置 コントロール・バルブに電磁弁(ソレノイド・バルブ)を設け、その作動条件検出として各センサなどの電気信号をマイコンで計算しコントロール・バルブ内のオイルの流量を制御する自動化したものである。 |
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| パワー・ステアリング パワー・ステアリングは旋回時のステアリング操作を楽にするもので、主にインテグラル型のものが多く使われ、油圧ポンプから圧送されるオイルで動力を得ている。 オイルは上記のオイルの流れと基本的には同じで、パワー・ステアリングの場合は油圧ポンプからステアリング・ギヤ・ボックスへ圧送される。インテグラル型では、ステアリング・ギヤ・ボックスにコントロール・バルブとパワー・シリンダが一体となって形成されているので、ステアリングを回す方向にオイルが圧送される。 田植機のステアリング・ギヤ・ボックスはトランスミッション内に設けてある場合が多く、その場合一般にステアリングの真下辺りに設けている。 |
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植付部 マット苗の植付機構は、右図のようなクランク式とロータリ式がある。
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| ●植付爪について 植付爪は、苗を掻き取り、植える役目があり、各メーカー独自の形をしたものを採用している。 ◇爪の種類、特徴、例
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| ●植付フォークについて 植付フォークは、植付爪で掻き取り圃面に植付けた苗を、植付爪から離して植え込む役目がある。一般に植付フォークはコの字の形をしていて、植付爪に沿って上下動し、植付爪とは各メーカー規定の隙間を設け、より最適に植付けるように工夫されている。 植付フォークは、植付爪が圃面に入ったときに「バチン」と強制的に跳び出すものと、植付爪が圃面に入りながら、同時にエンジン回転に比例した速さで跳び出してくるものとがある。ともにカムやスプリングによって上下動する構造になっている。 現在、ロータリ式で強制的に植付けるタイプが多い。 ■植付フォークの交換時期、目安 カムやスプリングは、オイルまたはグリースによって保護されているので、右図のようにオイル・シールを設け外部から泥水の混入を防いでいる。 使用時間過多になると、植付フォークの芯棒が腐食したり、がたつきが生まれてきてオイル漏れや泥水の混入の原因になる。また、先端部が苗や泥水との摩擦で磨耗してくる。そうなると、苗を正しく植付けすることが出来ず、浮き苗や転び苗になり易くなる。 指で植付フォークを触ってみて、がたつきがあったり、オイルが漏れてたり、先端が著しく磨耗してる場合は、植付フォークやオイル・シールを新品に交換する必要がある。 |
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| ■植付爪の交換時期、目安 植付爪は使用時間過多により、苗や圃場の泥水などとの摩擦で右図のように先端が磨耗する。先端が磨耗すると、苗を掻き取る能力が低下して欠株の原因となり、さらに植付状態も悪くなる。 右図のようなタイプ(クボタ、三菱、他一部ヤンマー)では、特に苗を挟み込む先端内側が磨耗する。新品と比べて内側角や外側角が2~3㎜磨耗していたら交換したほうが良い。 また、植付爪が細い鋼線タイプ(ヤンマー、イセキ)のものは、磨耗すると尖った先端部が丸くなってくる。新品と比べて全長が2~3㎜短くなったら交換したほうが良い。鋼線タイプは、石などを噛み込んで変形することがあるので、その場合は修正ではなく交換したほうが良い。 ※磨耗具合を新品と見比べることができるので、植付爪は常に予備で1個または1set分持っておくと良い。 |
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| ■三菱用植付爪と植付フォークの調整 ヤンマーなどでシムを入れるものもあるが、三菱田植機は植付爪と植付フォークがそれぞれ個別に微調整できる。 ◇右図の寸法で調整する。 (苗取り量の調整は専用の苗取りゲージがあればよいが、無ければエプロンに段ボールの切れ端などの硬い紙を載せ、どれかの条の植付爪を押し当てて跡を付け、それに他の植付爪を合わせる方法で良い)
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| ■各条個別の苗取り量の調整方法 苗の取り量が各条ごとに違うと苗の減り方も違ってくるので、各条同じに合わせる必要がある。 一般に植付アーム(プランタ・アーム)を調整することによって、苗取り量を合わせることができるタイプのものが多く、右図例では以下のように調整する。
過去の記載→第9回:田植機の苗取り量の調整について |
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| ●苗取り口 植付爪と苗載せ台の苗取り口との隙間は右図のように規定量(約1~1.5㎜)に保つ必要がある。 間隙量の調整は、各メーカー、機種により様々だが、右上図例でいうとの締付け固定ボルトで植付アーム(プランタ・アーム)を固定ベースに固定しているが、これにシムを数枚挟んで固定し植付アームを横ずらしすることで適正な間隙量に調整している。 イセキなどでは、アジャスト・ボルトを回す事で植付アームを横ずらし出来るものもある。 殆どの田植機には、右図のように各苗取り口にサポート(消耗品)が取り付けられている。サポートは使用時間過多になると磨耗してきて植付爪との隙間が多くなり、掻き取った苗の切り口が乱れたりするので新品に交換する。 |
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| ●植付本数調節レバー(苗取り量調節レバー) 上記の苗取り量調整は各条ごとの調整だが、植付本数調節レバーは、全条分の苗取り量を一括で調節できるレバーである。一般にシート後部の苗載せ台フレームの左右どちらかに設けてある。 植付本数調節レバーは、一般にエプロンとロッドを介して繋がっていて、レバーを動かすとエプロンが上下に動く構造になっている。 植付本数調節レバーを「多い」のほうにすると、右図にようにエプロンが下がるので植付爪の掻き取る量が増える。また、「少ない」のほうにすると、エプロンが上がるので植付爪の掻き取る量が減る。 |
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| 横送り装置 横送り装置とは、苗載せ台を端から端へ横に往復移動させるもので、同時にその片道移動に植付爪で掻き取る苗の回数を一般に20回と26回として、どちらかの横送り回数ギヤを経由しながら苗載せ台は横移動する。 横送りギヤは他、16回、18回、30回などがあるが、20回と26回の2種類を標準で設けたものが普通である。 16回…マット成苗、ポット成苗 18回…マット成苗、中苗 20回…中苗 26回…稚苗 30回…乳苗 苗載せ台は、下フレームのエプロン寄りに設けた2~3個のスライド・ピース(プラスチック状のブロック)と、上フレームに設けた2~3個のスライド・ピースで支持されながら左右にスライド移動する。スライド・ピースにはグリースが塗布されていて円滑に滑るようにしている。 ●右図例の場合 回転する横送りシャフト上を苗載せ台と連結されたブロックが左右に移動することで横送り移動する。横送りシャフトには、らせん状の溝が両端から交わるように掘ってあり、ブロック内部には、その溝にはまるように突起部が設けられている。 ブロック内部と横送りシャフトには、グリースが塗布され円滑に滑るようにしている。 植付クラッチが入るとPTOシャフトを介してベベル・ギヤが回転するので、駆動シャフトも同様に回転する。その後、植付爪を作動させるプランタ・ケース内駆動ギヤと、横送りを作動させる横送りギヤへ動力伝達される。 横送りギヤは、20回と26回のどちらかのギヤがドグ・クラッチで繋がっていて、その繋がっている側のギヤが回転するので、チェーンを介して横送りシャフトが回転する。 ドグ・クラッチは、外部からレバー操作ができ固定されている。 したがってギヤの変更はレバー操作でするが、各メーカー各機種によって決まった手順があるのでその手順に従って行う。これは、苗載せ台が端にきたときに苗送りベルトが作動するタイミングがずれるのを防ぐためである。 ギヤを外したりする場合は、それぞれ記しや刻印があり、タイミングが決まっているので、組付け時は間違えないようにする。また、これらはグリースやギヤ・オイルなどで保護されているので補充を忘れないようにする。 |
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●1反(10a)当りの苗箱の大体の使用量…株数は3.3㎡当り、条間は30㎝ ※実際には様々な条件で苗の使用量は違ってくる。また、苗取り量調節レバーを1段変えると箱数は約6~8%増減する |
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| 苗送り量 | 苗の種類 | 苗取り量レバー | 35株 | 40株 | 45株 | 50株 | 55株 | 60株 | 70株 | 80株 | 90株 |
| 20回 | 中苗 | やや多い | 15箱 | 17箱 | 19箱 | 21箱 | 23箱 | 26箱 | 30箱 | 34箱 | 38箱 |
| 26回 | 稚苗 | 真ん中 | 9箱 | 11箱 | 12箱 | 13箱 | 15箱 | 16箱 | 18箱 | 21箱 | 23箱 |
| 苗送りベルト 苗送りベルトは、苗を端から端まで確実に掻きとるために、苗載せ台の傾斜に載せたマット苗を強制的にエプロン上に落とすものである。 苗送りベルトは、一般に回転する横送りシャフトなどの端に連結された作動金具が、苗載せ台がどちらか端によったときに苗載せ台の苗送りベルト作動部位を押し込み作動する。 植付始動時の要所 苗送りベルトは苗載せ台がどちらか端によったときのみ作動するので、最初の植付始動時は苗載せ台をどちらか一杯に寄せてから植付開始する。 |
| 条止めレバー(畦際クラッチ) 条止めレバーは、植付爪と苗送りベルトの動作を止めるものである。 これは畦際を植付けるとき、最終の植付け条数を使用機械の条数に合わせる必要があるので、 条止めレバーや、苗ストッパを使って条数合わせを行う。
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| フロート フロートは、4条植え以上では通常左右と中央に3つ設けていて、植付作業では、圃面(水面)との摩擦抵抗をなるべく少なく尚且つ荒らさないように整地して、一定の深さで植付けるように苗載せ台を安定させる役目がある。 一般に中央に位置するセンタ・フロートは、油圧感度センサが取り付いていて、圃面条件によってその感度をシート横に設けた油圧感度調節レバーによって行う。また、左右のフロートは植付深さを決めることができる。 油圧感度センサにはワイヤ式と電気式がある。 ワイヤ式は、センタ・フロートと油圧感度調節レバーを直接ワイヤと金具で繋いでいて、コントロール・バルブへは機械的にセンタ・フロート上の金具からロッドを介して直接作動している。 電気式は、センタ・フロート上と油圧感度調節レバー下にそれぞれロッドなどで連結させた可変抵抗器を設けて、その電気信号をマイコンで計算して、コントロール・バルブの電磁弁を制御している。 機械式でいうと、フロートは持ち上がるとロッドが作動して、コントロール・バルブの油圧回路が上げ方向になるので苗載せ台が上昇しようとする。また、苗載せ台が上昇し始めたら、フロートが下がりロッドが作動し、コントロール・バルブの油圧回路が下げ方向になるので、苗載せ台は下降する。 油圧感度調節レバーは、苗載せ台が上昇し始めるタイミングを決め、センタ・フロートの上下の動きに連動してる油圧感度センサは、そのタイミングをとるものである。 ●圃面状態における油圧感度調節レバーの位置
■簡単な油圧感度の動作確認方法 エンジンを始動し回転数をやや上げた状態で、油圧レバーを下げ位置にし苗載せ台を地面に付くまで下げる。 油圧感度調節レバーを一番軟い方向にし、センタ・フロート前方を半分程持ち上げると同時にすぐ苗載せ台が上昇し始め、センタ・フロートから手を離したら、すぐに地面に付くまで下降すれば良い。 また、油圧感度調節レバーを一番硬い方向にし、センタ・フロート前方を半分程持ち上げた時苗載せ台はすぐには上昇せず、さらに一杯持ち上げたときに上昇し始め、センタ・フロートから手を離したら、すぐに地面に付くまで下降すれば良い。 以上のテストで動作確認はできるが、細かい調整(ワイヤのアジャスタ調整など)については各メーカー、機種により規定の調整をする。 |
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| 植付深さ調節レバー 植付深さ調節レバーを上下に動かすと、レバー下部から機械的に連結された左右のフロートが上下するので、植付部の高さが変わり、植付深さを変更することが出来る。殆どの田植機が、この方式で機械的な構造になっている。 苗の植付具合は、圃面から30㎜前後植付けていることを目安にレバー調節する。一般に、人差し指の第一間接と第二間接の間くらいが大体理想的な植付深さである。 ◇注意点など
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