ダイヤフラム式キャブレター

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ダイヤフラム式のキャブレータは、エンジンの傾きに関係なく一定油面を保つ為、どの方向でも使用できるが、その反面一つ一つの部品が細かく、ガスケット類など消耗品で構成されてるためキャブ掃除をしても上手くいかないこともあります。
ダイヤフラム式はいくつか種類はありますが、ここでは2サイクル・エンジンでピストン・バルブ式のエンジン(主に草刈機など)に比較的多く使われてる!?タイプ(Walbro製ロータリ・バルブ式)の構造と掃除箇所を記載してます。
どのダイヤフラム式も基本は大体同じだと思います。
あくまでも自分なりの解釈で説明していますのでご理解ください。



  1. バルブ・アッセンブリ・スロットル
  2. ボディ・アッセンブリ・キャブレータ
  3. ポンプ・ガスケット(上)、ダイヤフラム・ポンプ(下)…2枚重なってる
  4. 燃料戻り口
  5. 燃料吸込口
  6. プライマリ・ポンプ
  7. ボディ・アッセンブリ・エア・パージ
  8. メタリング・ダイヤフラム・ガスケット(上)、ダイヤフラム・メタリング(下)…2枚重なってる
  9. ボディ・アッセンブリ・ポンプ
  10. ベンチュリ
  11. スクイーズ・パッキン
  12. アクセル・ワイヤ調整取付ボルト
  13. スロー調整ネジ
  14. スクリュ 2×23
  15. スクリュ 2×10
  16. アクセル・ワイヤ引掛け部
  17. スロットル・バルブ芯弁調整ネジ
  18. スクリュ・メタリング・レバー・ピン
  19. インレット・ニードル・バルブ
  20. メタリング・レバー・スプリング
  21. メタリング・レバー・ピン
  22. メタリング・レバー
  23. スロットル・バルブ
  24. 芯弁
  25. メイン・ノズル
  26. インレット・スクリーン(フィルタ)
  27. チェック・バルブ
   
→キャブレータの掃除には、キャブレータ・クリーナを使います。
25のメイン・ノズルにキャブレータ・クリーナを吹きかけ、ノズル内を傷付けない程度に、細い針金などを通すなどして掃除する。
24の芯弁をきれいにし、23のスロットル・バルブにも同様にキャブ・クリーナを吹きかけ、組み込んだ時に23のスロットル・バルブが10のベンチュリ部でスムーズに回る事を確認する。高回転がもたつくなどの原因になる。

17のスロットル・バルブ芯弁調整ネジを回すと、エンジンのふけ方が変わるので、分からなければなるべく触らない事。通常は触ることはない→→→
6プライマリ・ポンプは硬化していたら交換する。硬化していると、押しても凹んだまま戻らないので、結果燃料を吸わない。

始動させるには、ポンプ・ボディ内に燃料を待機させおく必要があるので、プライマリ・ポンプを数回押さなくてはならない。→→→


8ダイヤフラム・メタリングは硬化していたら交換。硬化してると、燃料が十分に送られない。

3ダイヤフラム・ポンプは硬化していたら交換。硬化してると、燃料が十分に送られない。働きが悪いと、始動してもすぐにエンジン・ストップする。




25のメイン・ノズル(ジェット側)にキャブ・クリーナを吹きつけて、ベンチュリ内に液体が出るまで掃除する。
ジェットは先の尖ったもので取り外すことが出来るが、小さなOリングが付いているので無くさないようにする。→→→
左下写真のままで、掃除できるので敢えて外さなくてもよいが、エア吹き掃除する場合は、無くさないように気を付ける。

エンジンが始動しない、高回転がもたつくなどの原因になる。






A、Bはつながっている。

エンジンが回った瞬間から、クランク圧力(吹き返し)はこの穴を通って、3のダイヤフラムポンプにかかる。
この圧力は脈動なので、3ダイヤフラム・ポンプを振動させる事ができて、安定した燃料供給ができる。
この脈動圧力は、エンジン回転に応じて変化するので、キャブレータ内の燃料をエンジン回転に必要なだけ供給されることになる。
フロート式と同じように、19のニードル・バルブで燃料を制御しているが、ダイヤフラム式では、燃料を吸込んでから加圧された状態で、いくつかの細かい穴を経由しメイン部に送られる。
吸気通路(10のベンチュリ)に負圧がかかると、8のダイヤフラム・メタリングは上側に膨らみ、22のメタリング・レバーを押し上げ、19のニードル・バルブが開き、負圧がなくなれば、20のメタリング・レバー・スプリングの力で19のニードル・バルブが閉じる。

つまり、エンジンが始動したら、8のダイヤフラム・メタリングは押し上げられた状態になり、3のダイヤフラム・ポンプの振動圧力により、燃料供給が継続する仕組みになっていると思う。


プライマリ・ポンプを押して燃料を吸い込んだ時(始動前)、ニードル・バルブの動きが悪い(膠着など)と燃料がオーバ・フローし、燃料供給が上手くいかない。


Dから、Nの穴をキャブ・クリーナで掃除する。丸くて薄い、小さいゴム弁が入ってるため無くさないよう注意する。
運転時に燃料を安定して25のメイン・ノズルに送るため!?
ベンチュリ内の負圧を安定してダイヤフラム・メタリングに伝えるため!?

※通常は、エア吹きしても無くなるものではない。


5の燃料吸込口から吸われた燃料は、26のインレット・スクリーン(フィルタ)でゴミなどを除去し、G、H、I、J、K、L、Mの順に通り、19のニードル・バルブの所までくる。従って、これらの全ての穴をキャブレータ・クリーナで掃除する。
26のインレット・スクリーンは先の尖ったもので外すことができる。またエア吹きして無くさないように注意する。→→→

P、S27のチェック・バルブ中心穴はつながってる。
O、Tはつながってる。
Q、Rは同じ穴で外につながってる。

Sの穴に付いている27のチェック・バルブ(赤いゴム)は、根元が破れていたら、燃料の吸い込み不良になる

左写真は、説明のため27のチェック・バルブを外してあるが、外すときに根元が破れる恐れがあるので、敢えて外さないほうがよい。

27のチェック・バルブ単体を注文出来ない場合が多い。
(発注は、7のエア・パージごとになる。)

プライマリ・ポンプの仕組み

6のプライマリ・ポンプを押すと、27のチェック・バルブ中心穴からP穴、燃料戻り口、燃料タンクへ正圧がかかる。
逆に、プライマリ・ポンプが元に戻るときは、S穴よりT穴のほうが大きいため、チェック・バルブは開きE穴に負圧がかかる。
…チェック・バルブの構造により一方通行を可能にしている。
この時、Dのゴム弁は吸い寄せられて密閉し、さらにダイヤフラム・メタリングも吸い寄せられるので上側に膨らみ、ニードル・バルブが開く。
繰り返し何回か押すと、開いたニードル・バルブから、各穴を経由してそのまま燃料タンクまで負圧がかかるため燃料が吸い上がってくる。

E、F、O、Tの穴はその吸い込み口で、C、P、S穴は戻り口なので、同様キャブ・クリーナで掃除する。


よくある症状

インレット・スクリーン(フィルタ)の詰まり
ニードル・バルブの膠着
プライマリ・ポンプの硬化、破れ
ダイヤフラム・ポンプの硬化
ダイヤフラム・メタリングの硬化


スロットル・バルブ芯弁調整ネジ

17の調整ネジ(正ネジ)を回すと、芯弁が上又は下へ移動して、メイン・ノズルからベンチュリ内にて噴射される燃料の量が変化する。
基本的に触る箇所ではない(触らない)が、調整する場合は、キャブレータ掃除後にエンジンを始動して、排気ガスの色を見ながらエンジン音を聞いて調整する
これは、エンジン運転の理想とする混合比(空気:燃料)に近づけ、燃料を完全燃焼させるための作業である。
左回し→芯弁上がる→燃料が濃くなる→灰色の排気ガスが出る(混合ガソリン)
かぶり気味になる。高速回転で失速する、またはエンストする。低速で徐々に不安定になりエンストする。
右回し→芯弁下がる→燃料が薄くなる
アイドリング回転位置でエンストする。低速位置が中~高速回転になる、またはエンストする。
基本的に、調整がとれていないとエンジンの始動が悪くなる。


また、同じピストン・バルブ式でアジャスト・スクリュ付きのキャブレータは、上記の調整に加えてさらにメイン・ノズルからベンチュリ内に噴射される燃料の量を調整することができる。このタイプは、17のスロットル・バルブ芯弁調整ネジを回してしまうと、調整が手間になるので、基本はアジャスト・スクリュのみで調整する。→→→


チェーン・ソーなどに使われるダイヤフラム式キャブレータ(walbro製バタフライ・バルブ式)について…上級者向け!?

上記キャブレータのように、スロットル・バルブ芯弁調整ネジで噴射燃料を調整するのに対し、チェーン・ソーなどでは、高速用(H)と低速用(L)の二つのアジャスト・スクリュ(調整ネジ)で噴射燃料を調整するキャブレータが使われる。→→→
キャブレータ・ボディに取り付けられた二つのアジャスト・スクリュを回転させて、メイン・ノズルからベンチュリ内に噴射される燃料の量を調整するようになっている。
したがって、スロットル・バルブの芯弁のようなものは付いていない。→→→

キャブレータ掃除の際は、この二つのアジャスト・スクリュを外すので、分解掃除後は、エンジンを始動して、排気ガスの色を見ながらエンジン音を聞いて調整せざるを得なくなる


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作成日:2007/11