草刈機

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草刈機(刈払機)とはエンジンの回転力で刃を回転させ草を刈る機械で、排気量20~35㏄くらいの2サイクル・エンジン、または4サイクル・エンジンが使われる。

モータを動力とした充電式もあるが、現時点ではエンジン式が多く使われている。

草刈機には、肩掛け式(後項図例)と背負い式がある。

草刈機の故障診断


関連記載

第22回:溝切機の2サイクル・エンジン焼き付き修理について


草刈機のエンジンまわり1 / 草刈機のエンジンまわり2 / 草刈機のエンジンまわり3 / 草刈機のエンジンまわり4 / 草刈機のエンジンまわり5
草刈機の刈刃まわり1 / 草刈機の刈刃まわり2 / 草刈機の刈刃まわり3 / 草刈機の刈刃まわり4 / 草刈機の刈刃まわり5 / チェーン・ソーのチェーン刃回り1


◎草刈機の保守



刈刃



草刈機刈刃は金属刃とチップ・ソーがあるが、切れ味の良さ、機械的負担が少ないなどの理由からチップ・ソーが多く使われる。

大きさは9インチ(230mm)、または10インチ(255mm)があり、排気量が25㏄以上あればどちらのサイズの刈刃を使っても問題ないが、排気量が少ない草刈機は、機械的負担が少ない9インチの刈刃を使う。

他には、ナイロン・コードを使った刈刃(ナイロン・カッタ)がある。

これは、ブロック塀の際などやり難い場所での使用に向いているが、 機械的負担が大きいので排気量が25㏄以上ある草刈機しか向かない。


一般に、刈刃は頭部13㎜の左ネジナット、またはボルト(7~8㎜、ピッチ1.25㎜)で固定している。

刈刃の取替えに関しては、六角レンチなどの棒状の工具を、シャフト固定穴から刃受金具の凹部に入れるとシャフトが固定されるので、シャフトの共回りを防ぎ左ナット(またはボルト)を回すことが出来る。

刃受金具の凹部は外から見えないが、六角レンチを入れて刈刃を手で回すと六角レンチが落ち込む位置がある。

その位置でシャフトは固定される。


多くの場合、軍手など手袋をはめた手で直接刈刃を掴んで回らないようにして行うだけで、容易に刈刃の交換は出来る。

スロットル・ワイヤ



スロットル・ワイヤは、スロットル・レバーとキャブレータ間に設けられていて、スロットル・レバーの角度に応じてキャブレータのスロットル・バルブの開度を変える役割がある。

つまり、エンジン回転を変えるためのワイヤである。

スロットル・ワイヤは、経年劣化や使用時間過多により形崩れや断線などを起こし動きが悪くなる。

その時はスロットル・ワイヤを交換する。


一般的な樹脂タイプのスロットル・レバーに取り付くスロットル・ワイヤの交換は簡単である。

スロットル・レバーを最低回転位置にして、スロットル・ワイヤの外筒部分(アウタ・ケーブル)の末端を引けば、インナ・ワイヤがフリーになり外す事が出来る。

また、キャブレータ側においてダイヤフラム式は、スロットル・バルブを指で回せば、インナ・ワイヤがフリーになり外す事が出来る。

フロート式は、インナ・ワイヤがスロットル・バルブ上のキャップを介してスロットル・バルブに引掛けてあるので、キャップを回し外してからスロットル・バルブを引き抜き、インナ・ワイヤをスロットル・バルブから外す。

ヘッド(ギヤ・ケース)



ヘッドの構造ヘッドは回転するシャフト・スプライン軸を受け、ギヤを設けて下向きに取り付けられた刈刃に動力を伝達する役割がある。

ヘッド内のギヤ等は、グリースによって潤滑され保護されている。

したがって、 定期的にグリスを注入しないとヘッドの寿命が短くなる。


ヘッド内にグリスを注入する場合、頭部10㎜(他もあり)のボルト(6㎜、ピッチ1㎜)を外して注入するが、エアが抜けずなかなか入らないので、ヘッド又は刃受金具を外して注入すると入れ易い。

どうしても入れ難い場合は、スプレ・タイプのグリースを使用する。


刈刃が回転しなくなる症状では、ヘッド内のギヤ等の破損、またはスプライン・シャフトの入力部(スプライン)の摩耗が原因である事が多い。

ヘッド内のギヤが破損した場合は、両方のギヤとシャフトをセットで交換するのが望ましい。

しかし、ベアリングも当然交換になるので、一般にはギヤ・ケースASSYで交換する事が殆どである。

仮に分解する場合は、ベアリングとシャフトはスナップ・リングで止めてあるのでスナップ・リングを外す工具が必要になる。

遠心クラッチ



遠心クラッチは、エンジンのフライホイール中央に設けられていて、エンジンからの動力を刈刃に伝達する役割がある。

エンジンが低回転の時はスプリングの力でクラッチ・シューは開かない。

しかし、エンジンが高回転になるとスプリングの力に打ち勝ってクラッチ・シューが遠心力で開き、ドラムの内側を押え回転力が伝わる。

ドラムが回転するとスプライン・シャフトも回転するので、ヘッドを介して刈刃が回転する。


左図例において、クラッチ・シューの外側の太線の部分が摩擦を受けるので、使い込めばこの部分が擦り減る。

スプリングは2つ設けたものが多い。


クラッチ・シューが極端に擦り減ると、刈刃が高回転にならなかったり、負荷をかけた時に刈刃が止まるようになる。



◎草刈機の故障診断



症状 原因 対処
刃が回らない ①ギヤ・ケースのベベル・ギヤ、またはベアリングの摩耗、破損
②シャフト・スプラインの摩耗
③クラッチ・シューの摩耗
①交換
②交換
③交換
ガラガラ音がする ①ギヤ・ケースのベベル・ギヤ、またはベアリングの摩耗、破損
②シャフト・スプラインの摩耗
①交換
②交換
高回転で刃が振れる ①チップソーのチップがいくつか取れてる
②刈刃が確実に取付けられていない
③シャフト・パイプの変形、防振材の劣化
①刃の交換
②確実に取付ける
③交換
リコイル・スタータの紐が引けない ①エンジンの焼付き
②リコイル・スタータの紐の絡まり
①エンジンのオーバ・ホール
②巻き直し、交換
スロットル・レバーが動かない ①スロットル・ワイヤの膠着
②キャブレータのスロットル・バルブ膠着
①交換
②キャブレータ掃除
エンジンが始動しない、調子が悪い、
始動方法…
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作成日:2007/8