2サイクル・エンジンの始動、故障診断とその対処
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始動方法

ガソリン・エンジン
故障診断とその対処

2サイクル・エンジン前面 ダイヤフラム式キャブレータエンジン
(背負うものなど持って使う比較的軽いエンジンは、現在フロート式よりダイヤフラム式が主流)   
  1. 11の燃料キャップを外し燃料(混合ガソリン)を入れる。
  2. 12のプライマリ・ポンプを10の戻りホースから燃料が出るまで押す。
  3. 19のストップ・ボタンはエンジンを止める時に押すが、他、始動スイッチが付いてるものはONにする。。
  4. 15のチョーク・レバーを「閉」にする。
  5. 16スロットル・バルブを中間にする(スロットル・レバーにて)。
  6. エンジン爆発音がするまで5のリコイル・スタータの紐を力強く引く(現在主流のリコイル・スタータは軽く引く)
  7. エンジン爆発音がして始動し始めたら、15のチョークレバーをゆっくり「開」にする。
  8. 2,3分低速で暖気運転する。
注意  
  • エンジンが暖まってる場合には、チョーク・レバーは「開」のままでリコイル・スタータの紐を引いて始動する。この状態でエンジンが始動しない場合は再度、4から始める。
  • 燃料がキャブレータまで来ていて、エンジンが始動できないまま何回もリコイル・スタータの紐を引き続けると、燃料をくい過ぎて更に始動困難になる。その場合はスパーク・プラグを外し、エアで軽く吹くなど乾かしてから再度取り付けて行う。
  • 2サイクル・エンジン裏面PTO側

    1.プラグ・キャップ
    2.インシュレータ
    3.クーリング・フィン
    4.カバー
    5.リコイル・スタータ
    6.マフラ(排気出口)
    7.燃料タンク
    8.燃料フィルタ
    9.燃料吸込みホース
    10.燃料戻りホース
    11.タンク・キャップ
    12.プライマリ・ポンプ
    13.キャブレータ
    14.エア・クリーナ・ケース
    15.チョーク・レバー
    16.スロットル・バルブ
    17.スロットル・ワイヤ
    18.遠心クラッチ
    19.ストップ・ボタン
    ※上記図は草刈機、溝切機などに使われるタイプのエンジン




    ■修理方法

    エンジンが始動しない
    症状 原因 対処
    リコイル・スタータの紐を引けない @リコイル・スタータの紐が絡まってる
    A2サイクル・オイル過少の混合ガソリン使用などによるエンジンの焼き付き
    @リコイル・スタータを外し、紐を直す、または紐交換
    Aピストン・リングピストン、ピストン・ピンなど症状に応じて交換、オーバ・ホール
    スパーク・プラグに火花が出ない @スパーク・プラグ不良
    Aスパーク・プラグ・キャップ接続不良
    Bイグニション・コイルの不良
    C始動スイッチまたは、ストップ・ボタンの不良、それに関る配線不良
    @交換
    A正しく接続
    B交換
    C交換または、正しく配線
    キャブレータまで燃料が来ない @燃料タンク錆びまたは、異物混入による詰まり
    A燃料コック(フロート式キャブレータ)の詰まり、漏れ
    B燃料フィルター、ホースの詰まり
    @燃料タンク交換または、異物、ゴミを燃料タンク、燃料ホースから除去
    A掃除または、交換
    B交換
    キャブレータから燃料が漏れる @キャブレータのオーバ・フロー(主にフロート式でニードル・バルブ回りの詰まり、膠着) @キャブレータの分解掃除、燃料コック、フィルタ掃除
    @キャブレータ詰まり
    A圧縮がない
    B半年以上放置された古い燃料の使用
    @キャブレータ分解掃除
    Aピストン、ピストン・リングなど交換
    B新しい燃料を使用
    エンジンが熱を持つと始動しない @進角ユニット不良
    Aイグニション・コイルの不良
    Bオーバ・ヒート
    @交換
    A交換
    B冷却風入り口掃除
    ◎エンジンが止まらない @始動スイッチまたは、ストップボタンの不良、それに関る配線不良 @交換または、正しく配線
    エンジンは始動するが、調子が悪い
    症状 原因 対処
    すぐ止まる @キャブレータ詰まり
    Aスパーク・プラグ不良、カーボン付着
    B燃料が悪い、古い
    C燃料フィルタ、ホースの詰まり
    @掃除
    A交換、掃除(電極部カーボン除去)
    B正規の新しい燃料を使用
    C交換
    低速回転が高い @キャブレータのアイドル・アジャスト・スクリュまたはスロー・ストッパー調整ネジの調整不良 @調整
    高速回転が出ない、もたつく @キャブレータ詰まり
    A燃料が悪い、古い
    Bインシュレータの組み付け間違い(キャブレータとシリンダ間)
    C燃料タンク・キャップの空気孔の詰まり
    Dマフラの詰まり
    E排気孔周りにカーボン付着
    Fエア・クリーナ詰まり
    Gノッキング(過早点火)
    Hダイヤフラム式キャブレータのダイヤフラム膜不良
    @キャブレータ分解掃除
    A正規の新しい燃料を使用
    B正しく組み付け
    C掃除
    D掃除
    E掃除
    F掃除、交換
    Gオクタン価の高い(ハイオク)燃料に交換、スパーク・プラグの交換、燃焼室のカーボン除去
    H交換
    出力不足 @キャブレータ詰まり
    Aスパーク・プラグ不良、カーボン除去
    B無理な使い方をしてる
    C燃料が悪い、古い
    @キャブレータ分解掃除
    A交換、掃除(電極部カーボン除去)または、隙間調整
    B規定の使用法で使う
    C正規の新しい燃料を使用
    濃い白煙が出続ける @2サイクル・オイルの比率が規定より濃い @規定の比率(20〜25:1など)にする
    異常な高回転 @ガバナ(一部エンジンに有り)の不良、とめネジの緩み @調整


    ■エンジンの焼付き確認方法

    次の場合は焼付きと判断する。
    • フライ・ホイールが手で回らない。(リコイル・スタータを外す)
    • マフラを外し(六角ボルト2本を外す)、排気孔からピストンが見える所まで下げて見て、ピストンにいくつか縦傷が付いてる。
    • リコイル・スタータの紐を引いた感覚(音も含め)に手応えがない。または、スパーク・プラグを外しその穴を指で塞ぎながら、リコイル・スタータの紐を引いても吸い付かない。所謂圧縮がない状態。



    ■排気孔、マフラーのカーボン除去の仕方

    キャブレータ、マフラ、スパーク・プラグを外し、キャブレータ・クリーナをシリンダ穴に多めに吹き付け、数十分放置しコンプレッサがあればエアできれいに掃除する。そして再びキャブレータ・クリーナをシリンダ穴に吹き付け、全て組み付けエンジン始動をさせ回転を上げる。マフラ内にもキャブレータ・クリーナを吹き付け、数十分放置した後エアで吹く。
    それでも回転が上がらない場合はオーバ・ホールとなる。この場合、最低限シリンダ・ガスケットは新品交換になる。



    ◎気をつける事
    • スパーク・プラグ取付部や排気孔などに付着してるカーボンをマイナス・ドライバなどでシリンダ内に掻き落さない。(カーボンがピストン・リングとシリンダ壁に挟まりピストンが動かなくなるため)
    • マフラを固定してる締付けボルトが、かたくて外れない場合は無理に外さない。(ボルトが折れる、またはシリンダブロックに亀裂が入るため)

    草刈機や溝切機などの2サイクル・エンジンは、エンジン回転が低中速回転で長時間使い続けると、作業抵抗(草刈、溝切など)と2サイクル・エンジン特性などの構造上、どうしても不完全燃焼の時が増え、スパーク・プラグの電極間や掃気孔淵、マフラ内にカーボンが付着し易く、エンジン不調の原因になる。そのため、出来るだけ高回転で作業する

    また、混合ガソリン比(ガソリン:2サイクル・オイル)は通常25:120:1があり、20:1の混合ガソリンのほうがオイルが多い分エンジンには負担が少ないが、カーボンは25:1の混合ガソリンより付着し易い。



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