作業機 普通ロータリ

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普通ロータリは、トラクターの3点リンク装置を使ってトラクター後部に取り付き、PTO軸から動力を取り出し多数のなた爪が取り付いてる耕運軸を回転させ、その回転するなた爪によって田圃や畑の土を反転、砕土、整地する機械の一つであり、トラクターに取り付けて使用する作業機としては一番良く使われている。


普通ロータリは、チェーン・ケースが左にあるサイド・ドライブ・ロータリとチェーン・ケースが真ん中にあるセンタ・ドライブ・ロータリがある。

また、フロント・カバーが回胴する回胴式と固定したままの固定式があり、耕運軸は正転(ダウン・カット)と逆転(アップ・カット)の両回転で使用できるものが多い。

サイド・ドライブ・ロータリの特徴

センタ・ドライブ・ロータリの特徴

サイド・ドライブ・ロータリの使用方法
サイド・ドライブ・ロータリの構造(動力伝達)
耕運爪
畦立器(培土、溝堀)
ロータリの着脱


関連記載

第7回:ロータリの油漏れ修理について
第11回:ロータリの耕運軸受ベアリング交換修理について
第31回:ロータリの着脱について
第33回:自分で出来るトラクターの点検整備について
第34回:ロータリの爪軸ベアリング・ケースのグリース注入について


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サイド・ドライブ・ロータリの使用方法



サイド・ドライブ・ロータリ

自動耕深装置(デプス)を使った使用



荒起こし
チェーン・ケースのプロテクタが圃面に当たるか当たらないかくらいの深さで耕すと丁度良い。均平板がフリーな状態(水田での荒起こしの耕運ピッチは15~16cm程度である。)

エンジン回転数は2500rpm、PTOは1速で、トラクターの速度はゆっくり歩くくらいの速さで行う。

均平板は、必ずフリーで一番下がった状態で使う。

均平板が上がった状態(固定するなど)で使うと、カバー・センサが深いと判断してロータリが下がらなくなる恐れがある。

回胴式ロータリは、用途に合わせてフロント・カバーを任意の位置(浅起こし、深起こし)に回胴させて使用する。
代掻き
均平板に整地板を取り付けて行う。

耕運ピッチは3~5cm程度で、エンジン回転は2000rpm以上、PTOを3~4速にして、歩く程度の速さで圃面を細かく砕土し均す。

整地板は一般に数段階の角度調整ができるが、ロータリを地面に下ろした状態で整地板の底面が地面に接触する角度で行う。

均平板は、必ずフリーで一番下がった状態で使う。

均平板が上がった状態(固定するなど)で使うと、カバー・センサが深い判定になりロータリが下がらなくなる。

回胴式ロータリは、均平板が下方にくるようにフロント・カバーを回胴させる。
圃面が凸凹になるのは?
殆どの場合、自動耕深装置(デプス)に関わる部品の故障や不具合、またはその作業設定が上手くできていない事が原因である。

また、ユニバーサル・ジョイントの十字ベアリングが破損していても凸凹になる事がある。

土寄せ、土引き作業



耕運後の土寄せ、代掻き軟弱地での盛り上がった土を修正するものである。

一般に自動耕深装置を切り、均平板を最下位置で固定し、整地板を最も立てた状態で取り付け、ポジション・レバー(油圧レバー)のみで行う。

PTOの逆転を併用すると、正転の3速と同じ速さで爪が回転し、軟らかい土を勢い良く前方に飛ばす事が出来るので効果的である。

しかし、土が固い荒起こしからの逆転作業は、ロータリの構造上、負荷が多き過ぎて故障、破損の恐れがあるため絶対にやってはいけない。

サイド・ドライブ・ロータリの構造(動力伝達)



トラクターからの動力は、PTOシャフトからユニバーサル・ジョイントを介して、ベベル・ギヤ・ケースのピニオン・シャフト(PICシャフト)へ伝達される。

ベベル・ギヤ・ケース内では、ピニオン・シャフトに連結されたベベル・ギヤから、それに噛み合うベベル・ギヤ、それに連結された駆動シャフトへ動力が伝達される。

チェーン・ケース内では、駆動シャフトに連結された駆動スプロケットからチェーンを介して、受動スプロケット、それに連結された耕運軸継ぎ手と耕運軸(爪軸)へ動力が伝達される。

チェーン・ケース 左図例で分かるように、耕運軸継ぎ手(軸受けシャフト)はベアリングで保持され、軸付きのオイル・シールを取り付けて、外部からの泥水の浸入を防ぎ、内部からオイルが漏れないようになっている。

ロータリ修理の大半を占めるチェーン・ケースからのオイル漏れは、この部分のオイル・シールが摩耗、損傷する事で起こる。


チェーン・ケースは2分割タイプと一体タイプがあり、チェーン張は、片側だけに設けたものと両側に設けたものがある。

どちらのタイプも下部に保護カバー(プロテクタ)を設けて、圃面との摩擦からチェーン・ケースを保護している。


ベベル・ギヤ・ケースとチェーン・ケースは、それぞれに同じギヤ・オイルが1~2ℓ程入っていて、ギヤの磨耗と焼き付けを防ぎ、錆びないように保護している。

また、イセキ・ロータリではベベル・ギヤ・ケースとチェーン・ケースの油路が繋がっているものがあるが、このタイプは4~6ℓ程のギヤ・オイルが入っている。

ギヤ・オイルは一般に#80~90が使われるが、イセキ・ロータリでは#140を使うものがある。

ベアリング・ケースベアリング・ケースはチェーン・ケースとは反対側に位置し、チェーン・ケースと共に耕運軸を支えている重要な部分である。

ベアリング・ケース内はギヤ・オイルではなく、グリースが注入されていて、軸受けシャフトをベアリングで保持し、軸付きのオイル・シールが使われている。

軸受部のシャフトは、左図例のように耕運軸の軸端が軸受けシャフトになっているものと、チェーン・ケース側のような耕運軸継ぎ手を使っているものがある。


ベアリング・ケースのグリース注入口の蓋は、パッキンやOリングを挟んでケース・カバーをボルトで固定するものと、ゴム・キャップ(プラグ)を打ち込んで栓をするものがある。

ベアリング・ケース下を保護する保護カバーは、あるものと無いものがある。

保守



ベベル・ギヤ・ケースとチェーン・ケースのオイル交換
ベベル・ギヤ・ケースのドレン・ボルトはピニオン・シャフト(PIC軸)下辺りにあり、チェーン・ケースのドレン・ボルトは下部の保護カバーの横、又は保護カバーを外したところにある。

確実に排油したら、パッキンを忘れずにドレン・ボルトを締め付け、各機種指定粘度のギヤ・オイルを注油口から規定量入れる。

通常ラベル等にギヤ・オイルの規定量が記載してあるが、チェーン・ケースは中心よりやや下に検油ボルトが設けてあるので、ロータリを下げた状態で、そのボルト穴からギヤ・オイルが溢れてくる程度が適量だと判断できるようになっている。

オイル(#80~90、GL3以上)は、150~200時間くらいの使用で交換する。
ベアリング・ケースのグリース詰め直し
蓋(プラグ)を外し、ベアリングのがたつきと泥土の浸入がない事を確認したら、グリースを注入し直し蓋をする。


代掻きに使うなら通常よりも傷み易く、点検は毎シーズン行う。
プロテクタの穴開き、サイド・カバーの曲がり、その他
チェーン・ケースと反対側のベアリング・ケースの保護カバー(プロテクタ)は、使用時間過多や無理な深起こしを続けるなどの原因で磨耗し穴が開くので、その場合は交換または溶接補修して直す。

サイド・カバーは、曲がっていると均平板が引っかかったりするので板金して直す。

各部ボルト、ナットの緩みがないか確認し、緩んでいたら増し締めする。

耕運爪



なた爪普通ロータリに使われる耕運爪は、主に右図のような「なた爪」が使われる。

なた爪には、強度や反転性を増したイーグル爪、ゼット爪、タイガー爪などがあり、普通のなた爪より高価だが1.5~2倍程長持ちする。

なた爪は刃縁の方から土に切り込み、刃先が最後に土から離れるため、ワラや草などの絡みつきは比較的少なく、反転性が良い。

他には、尖った刃先から打ち込むように土に切り込み、硬い圃場の砕土用などに使われる普通爪があり、回転方向に対して取付方向がなた爪とは逆になる。


耕運爪は摩耗すると当然反転性が悪くなるので、目安として幅の約半分程度磨耗してきたら交換する。

ロータリによって耕運爪の形や大きさ(号)が違うので、必ず適合するものを1setで交換する。

極端な部分的交換は、使用時にロータリ全体が回転バランスを崩し振動する恐れがあり、これは機械的な負担が増して故障の原因につながる。

耕運爪の交換、取付について

爪の取付 普通ロータリは、一般に1個のホルダに1本のなた爪をボルト、ナット1setを使って固定している。

右図で分かるように、ロータリを後方から見て、ホルダの六角穴(ボルト穴)がある面になた爪の外面を向けて取り付ける。

そして、ホルダ六角穴側からボルトを挿入し、反対側でスプリングを入れナットをしっかり締め込む。

このように決まり事を設けて、ホルダRにはなた爪R、ホルダLにはなた爪Lを取り付け、爪配列を間違えないようになっている。

耕運軸の両端にはなた爪左右1本づつと、偏心爪左右1本づつが取り付くが、この両端のホルダに限り例外で、ボルト、ナットは入れ易い向きで取り付ける。


耕運爪の固定には主に頭部17㎜(M10)のボルト、ナットが使われるが、一部のイセキ・ロータリで、ホルダに専用爪を入れ落下防止ピンで固定しているものや、大型のロータリで、爪取り付けフランジにボルト、ナットを2set使って耕運爪を固定しているものなどがある。



畦立器(培土、溝堀)



畦立器の取付畦立器はロータリのアタッチメントの一つで、苗床作りのための畦(畝)作りや排水のための溝作りなど様々な用途があり、現在もっとも多く使用されている。

畦立器は多くの規格があるので、用途に合わせてもっとも適当なものを選ぶ。


畦立器は、左図のように取り付ける。

均平板を持ち上げて畦立器の上に被さるようにし、耕運爪と畦立器が接触しない事を確認する。

回胴式ロータリの場合は「深」位置へ回胴させる。

水平な場所において、ロータリを床に降ろし畦立器は10㎜位浮かした状態でなるべく水平になるように、サポート調整ハンドルやサポート位置を変えて調整する。


ロータリの左右どちらかに取り付ける片畦立てタイプの取り付けは、サポートの変形を防ぐため、取付金具とロータリ本体との間に引っ張り金具を取り付ける。


一般に耕運爪の配列は平面耕の状態で良いが、作溝底幅の広い両側用の畦立器を使用する場合は、耕運爪の配列をロータリ中心より外盛耕にしたほうが良い。

使用について

着脱の仕方…日農工特殊3P-Bオート・ヒッチ(クボタ用)にて他の作業機への変更



着脱は水平な場所であること、回りに人がいないこと、近くに何もなく作業できる十分な広さがあることを確認する。

外し方

  1. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを切る。
    デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを最深位置にする。

    着脱における作業機の昇降はポジション・レバー(油圧レバー)のみで行う。
  2. ロータリの均平板がフリーな状態で最下位になってることを確認する。
  3. カバー・センサがコネクタ式のものは外す。
  4. ロータリを少し上がった状態で止めて、サポートを十分に引き伸ばしスタンドを立てる。
    スタンドの無いものは、何か台になるものをサポートの下に入れる。
    また、尾輪があれば尾輪をスタンド代わりに使う。
  5. サポート調整ハンドルを、調整棒に着脱位置と記載されているところまで回す。
    (マストの角度がもっとも着脱し易い角度になる。)

    これは、あくまでも専用スタンドがあるもので、何かを台代わりに使う場合はロータリを真横から見てマスト先端(上部軸)とピニオン軸の出面が同じくらいになるようにする。
    また、マスト先端を倒し過ぎると、外した時にロータリが前に倒れるので注意する。
  6. オート・ヒッチの安全ロック・レバーを外す。
  7. ロータリを床に着くまでゆっくり下げる。
  8. ロータリの後方からサポートを手で軽く持ち上げる。
  9. ロータリが外れたら、ロータリが倒れない事を確認してトラクターを前進させる。
    この時、カバー・センサがワイヤ式のものは、ロッドが外れていることも確認してから前進する。
  10. サポート調整ハンドルを回して、調整棒を縮めて重心を後ろに移動させ倒れない事を確認し保管する。

ユニバーサル・ジョイントを手で外さなければいけないものは、必ずロータリを床まで下げた状態でエンジンを切ってから外す。

基本は一番最初にユニバーサル・ジョイントを外すが、固くて外れないものは保護カプラ(黄色のカバー)のチェーンだけ外しておいて、そのままロータリを外し、後から分断されたユニバーサル・ジョイントを外す。

同様に、ユニバーサル・ジョイントを取り付けるときもロータリが着いている状態で、必ずロータリを床まで下げた状態でエンジンを切ってから行う。


着け方

  1. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを切る。
    デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを最深位置にする。

    着脱における作業機の昇降はポジション・レバー(油圧レバー)のみで行う。
  2. サポート調整ハンドルを、調整棒に着脱位置と記載されているところまで回す。
    (マストの角度がもっとも着脱し易い角度になる。)

    これは、あくまでも専用スタンドがあるもので、何かを台代わりに使ってる場合はロータリを真横から見てマスト先端(上部軸)とピニオン軸の出面が同じくらいになるようにする。
    また、マスト先端を倒し過ぎると、ロータリが前に倒れるので注意する。
  3. トラクターをゆっくり後進させ、オート・ヒッチの上部フック(トップ・リンク部)が、ロータリのマスト上部軸を下から拾うようにポジション・レバーをゆっくり上げる。
    なるべく、マストの中心を拾うようにトラクターをロータリに対して真っ直ぐ後進させる。

    安全ロック・レバーはロック位置にしたままでも取り着くようになっている。
  4. ポジション・レバーをそのまま上げるとロータリが持ち上がり、自動的に残りの左右2点の取付軸をオート・ヒッチが拾って、ロータリが脱落しないように安全ロック・レバーでロックされる。
  5. 安全ロックがしっかりと下りている事と、カバー・センサがワイヤ式のものは金具がしっかりと拾っている事を確認し、スタンドとサポートを格納する。
  6. サポート調整ハンドルを回し、サポートをある程度上げる。
  7. カバー・センサがコネクタ式のものはコネクタをはめる。
  8. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを入れる。
    デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを元の位置に戻す。



作成日:2008/1