作業機 普通ロータリ

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普通ロータリは、トラクターの3点リンク装置を使ってトラクター後部に取り付き、PTO軸から動力を取り出し多数のなた爪が取り付いてる耕運軸を回転させ、その回転するなた爪によって田圃や畑の土を反転、砕土、整地する機械の一つであり一番良く使われる作業機である。
普通ロータリは、チェーン・ケースが左にあるサイド・ドライブ・ロータリとチェーン・ケースが真ん中にあるセンタ・ドライブ・ロータリがある。
また、フロント・カバーが回胴する回胴式と固定したままの固定式があり、耕運軸は正転(ダウン・カット)と逆転(アップ・カット)両方回転できるものが多い。





サイド・ドライブ・ロータリの特徴
  • 耕運軸を左右両方で支えるため頑丈である。
  • 中央に残耕ができない。
  • 耕運軸の延長はできない。
  • チェーン・ケースが圃面に当たり耕深が制限される。
  • 基本的に平面耕のみである。(それ以外は、爪配列を変えなければならない。)
センタ・ドライブ・ロータリの特徴
  • 左右の耕運軸を交換できる。(内盛耕、外盛耕、平面耕など)
  • 耕幅を変更できる。
  • アタッチメントを取り付けて各種作業の凡用性がある。
  • サイド・ドライブ式より深く耕運できる。
  • 中央のチェーン・ケース一つで耕運軸を支えているので強度的に劣る。
  • チェーン・ケース下部の残耕処理が必要。

サイド・ドライブ・ロータリ


サイド・ドライブ・ロータリ


通常使用方法(アタッチメントなし)…自動耕深装置(デプス)使用

  • 水田での荒起こしの耕運ピッチは15~16cm程度である。チェーン・ケースのプロテクターが圃面に当たるか当たらないかくらいの深さで起こすと丁度良い。また、エンジン回転は2500rpm、PTOは1~2速で、トラクターの速度はゆっくり歩くくらいの速さで行う。
  • 代掻きは、均平板に整地板を取り付けて行う。耕運ピッチは3~5cm程度で、エンジン回転は2000rpm以上、PTOを3~4速にして水が入った圃面を歩く程度の速さで細かく砕土し均す。均平板がフリーな状態 整地板は一般に数段階の角度調整ができるが、ロータリを地面に下ろした状態で整地板の底面が地面に接触する角度で行う。この時、均平板が持ち上がらない程度である事。
  • 荒起こし、代掻きともに均平板は必ずフリーで一番下がった状態で使う。均平板が上がった状態(固定するなど)で使うと、カバー・センサが深いと判断してロータリが下がらなくなる恐れがある。耕運爪が均平板に接触する場合は例外で、均平板が耕運爪に接触しない程度にピン位置を変え、均平板を上げて使用する。
  • 回胴式ロータリは、用途に合わせてフロント・カバーを任意の位置に回胴させて使用する。代掻き時はより均平板が下方にくるようにフロント・カバーを回胴させる。
土寄せ、土引き作業…自動耕深装置(デプス)不使用
  • PTO逆転を使う。逆転は正転の3速と同じ速さで回転する。
    耕運後の土寄せ、代掻き軟弱地での盛り上がった土を修正するもので、一般に自動耕深装置(デプス)を切り、均平板を最下位置で固定してポジション・レバーを使い行う。
    荒耕しからの逆転作業は絶対にやらない事。これは、ロータリの構造上、負荷が多き過ぎて故障、破損の恐れがあるため。
  • 整地板を最も立てた状態にして土引きする。
    代掻き軟弱地での盛り上がった土を修正するもので、一般に自動耕深装置(デプス)を切り、均平板を最下位置で固定してポジション・レバーを使い行う。
    PTO逆転作業と組み合わせてもよい。

圃面が凸凹になるのは?
耕運して圃面が凸凹になるのは、大抵がデプス作業が上手くできていない場合が多い。また、ユニバーサル・ジョイントの十字ベアリングが破損したままの使用が原因の時もある。

保守方法
  • チェーン・ケースのプロテクターと反対側のベアリング・ケースの保護カバーは、使用時間過多や、無理な深起こしを続けるなどの原因で磨耗し穴が開くので、その場合は交換または溶接して直す。
  • サイド・カバーは、曲がっていると均平板が引っかかったりするので板金して直す。
  • ベアリング・ケース内の点検はなるべく毎シーズン行い、ケース・カバー、またはプラグを外しグリースを注入し直す。
  • チェーン・ケースとギヤ・ケース内のギヤ・オイル(#80~90、GL3以上)は、150~200時間くらいの使用で交換すると良い。特に、チェーン・ケース内のギヤ・オイルは、汚れ易いのいで毎シーズン点検し、汚れていたら使用時間に関係なく交換する。汚れたまま使用し続けると早期のオイル漏れに繋がり故障の原因になる。
  • 各部ボルト、ナットの緩みがないか確認し、増す締めをする。

着脱の仕方…日農工特殊3P-Bオート・ヒッチ(クボタ用)にて他の作業機への変更

着脱は水平な場所であること、回りに人がいないこと、近くに何もなく作業できる十分な広さがあることを確認する。

■外し方
  1. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを切る。デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを最深位置にする。着脱における作業機の昇降はポジション・レバー(油圧レバー)のみで行う。
  2. ロータリの均平板がフリーな状態で最下位になってることを確認する。
  3. カバー・センサがコネクタ式のものは外す。
  4. ロータリを少し上がった状態で止めて、サポートを十分に引き伸ばしスタンドを立てる。スタンドの無いものは、何か台になるものをサポートの下に入れる。また、尾輪があれば尾輪をスタンド代わりに使う。
  5. サポート調整ハンドルを、調整棒に着脱位置と記載されているところまで回す。マストの角度がもっとも着脱し易い角度になる。これは、あくまでも専用スタンドがあるもので、何かを台代わりに使う場合はロータリを真横から見てマスト先端(上部軸)とピニオン軸の出面が同じくらいになるようにする。また、マスト先端を倒し過ぎると、外した時にロータリが前に倒れるので注意する。
  6. オート・ヒッチの安全ロック・レバーを外す。
  7. ロータリを床に着くまでゆっくり下げる。
  8. ロータリの後方からサポートを手で軽く持ち上げる。
  9. ロータリが外れたら、ロータリが倒れない事を確認してトラクターを前進させる。このとき、カバー・センサがワイヤ式(クボタ、日立)のものは、ロッドが外れていることも確認してから前進する。
  10. サポート調整ハンドルを回して、調整棒を縮めて重心を後ろに移動させ倒れない事を確認し保管する。
※ユニバーサル・ジョイントを手で外さなければいけないものは、必ずロータリを床まで下げた状態でエンジンを切ってから外す。基本は一番最初にユニバーサル・ジョイントを外すが、硬くて外れないものは保護カプラ(黄色のカバー)のチェーンだけ外しておいて、そのままロータリを外し、後から分断されたユニバーサル・ジョイントを外す。
同様に、ユニバーサル・ジョイントを取り付けるときもロータリが着いている状態で、必ずロータリを床まで下げた状態でエンジンを切ってから着ける。

■着け方
  1. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを切る。デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを最深位置にする。着脱における作業機の昇降はポジション・レバー(油圧レバー)のみで行う。
  2. サポート調整ハンドルを、調整棒に着脱位置と記載されているところまで回す。マストの角度がもっとも着脱し易い角度になる。これは、あくまでも専用スタンドがあるもので、何かを台代わりに使ってる場合はロータリを真横から見てマスト先端(上部軸)とピニオン軸の出面が同じくらいになるようにする。また、マスト先端を倒し過ぎると、ロータリが前に倒れるので注意する。
  3. トラクターをゆっくり後進させ、オート・ヒッチの上部フック(トップ・リンク部)が、ロータリのマスト上部軸を下から拾うようにポジション・レバーをゆっくり上げる。なるべく、マストの中心を拾うようにトラクターをロータリに対して真っ直ぐ後進させる。安全ロック・レバーはロック位置にしたままでも取り着くようになっている。
  4. ポジション・レバーをそのまま上げるとロータリが持ち上がり、自動的に残りの左右2点の取付軸をオート・ヒッチが拾って、ロータリが脱落しないように安全ロック・レバーでロックされる。
  5. 安全ロックがしっかりと下りている事と、カバー・センサがワイヤ式(クボタ、日立)のものは金具がしっかりと拾っている事を確認し、スタンドとサポートを格納する。
  6. サポート調整ハンドルを回し、サポートをある程度上げる。
  7. カバー・センサがコネクタ式のものはコネクタをはめる。
  8. トラクターのデプス・スイッチとバック・アップ・スイッチを入れる。デプス・スイッチの無いものはデプス・レバーを元の位置に戻す。





構造


トラクターからの動力は、PTOシャフトからユニバーサル・ジョイントを介して、ベベル・ギヤ・ケースのピニオン・シャフトへ伝達される。そして、ベベル・ギヤ・ケース内でピニオン・シャフトに連結されたベベル・ギヤから、それに噛み合うベベル・ギヤ、それに連結されたシャフトを介してチェーン・ケースの駆動スプロケットへ伝達される。

右図のようにチェーン・ケース内は、一般に駆動スプロケットと受動スプロケットはチェーンで繋がっていて、チェーンはチェーン張によって張られている。チェーン張は片側だけのものと、両側に設けたものとがある。
したがって、駆動スプロケットが回転すると、耕運軸に連結された受動スプロケットも回転するので耕運作業が可能になる。

チェーン・ケース内はギヤ・オイルで潤滑され一般には1~2ℓ程入ってなければいけない。また、ベベル・ギヤ・ケース内も同じギヤ・オイルで潤滑され同様に1~2ℓ程入ってなければいけない。また、ベベル・ギヤ・ケースとチェーン・ケースが繋がっていて、ギヤ・オイルの注入場所を1ヵ所にしたものもあるが、このタイプは4~6ℓ程入っている。

ギヤ・オイルは共に#80~90が使われ、それぞれドレン・ボルトが必ずあるので、完全に古い油を抜いたうえで、パッキンを忘れず入れてから確実にドレン・ボルトを締め付け、各機種指定の量を入れるようにする。

ドレン・ボルトは、一般にチェーン・ケースは下部、ベベル・ギヤ・ケースはピニオン・シャフト下辺りにある。チェーン・ケースなどは、検油のためのボルトがケース中心よりやや下に設けてあり、そのボルト穴からギヤ・オイルが溢れてくる程度の量が適量である。

チェーン・ケースはカバーで蓋をしてるタイプと、ケース一体タイプがあり、カバーで蓋をしてるタイプは、Oリングやパッキンなどを挟み、ギヤ・オイルが漏れないようになっている。どちらのタイプのチェーン・ケースも、下部はプロテクターを取り付けて保護している。




耕運軸にボルトなどで連結された耕運軸継手は、シャフトにオイル・シール、ベアリングが順番に取り付いている。そして、耕運軸継手のシャフトのスプライン部に受動スプロケットが取り付きロック・ナット、もしくはスナップ・リングなどで固定されている。

チェーン・ケースからのオイル漏れは、この耕運軸継手のシャフトに取り付けられているオイル・シールの磨耗から起こることが殆どである。
したがって、オイル・シールを交換することでオイル漏れは直る。また、このときベアリングも同時に交換しておく。





ベアリング・ケースはチェーン・ケースとは反対側に位置し、チェーン・ケースと共に耕運軸を支えている重要な部分である。
ベアリング・ケース内はギヤ・オイルではなく、グリースが注入されていて、シャフトには同様にオイル・シール、ベアリングが順番に取り付き、ロック・ナットまたはスナップ・リングなどで固定されている。
軸受部のシャフトは、耕運軸にボルトなどで連結された耕運軸継手を使っているものと、耕運軸にシャフト部を直接旋盤加工して設けているものの2種類ある。

ベアリング・ケースはカバーで蓋をしてるタイプと、ケース一体タイプがあり、カバーで蓋をしてるタイプは、Oリングやパッキンなどを挟んで固定されていて、ケース一体タイプはプラグなどで蓋をして、外部から泥水などの混入を防いでいる。
どちらのタイプのベアリング・ケースも、保護カバーがあるものと無いものがある。

チェーン・ケース


チェーン・ケースの例
ベアリング・ケース


ベアリング・ケースの例


  過去の記載→第7回:ロータリの油漏れ修理について  第11回:ロータリの耕運軸受ベアリング交換修理について





耕運爪



普通ロータリに使われる耕運爪は、主に右図のような「なた爪」が使われ、なた爪には、強度や反転性を増したイーグル爪、ゼット爪、タイガー爪などがあり、普通のなた爪より高価だが2倍程長持ちする。
他、普通爪、L型爪、花型爪などがある。

なた爪は刃縁の方から土に切り込み、刃先が最後に土から離れるため、ワラや草などの絡みつきは比較的少なく、反転性が良い。
普通爪は尖った刃先から打ち込むように土に切り込み、硬い圃場の砕土用などに使われる。
なた爪と普通爪では、回転方向に対して取付方向が逆となる。


■耕運爪の交換時期

耕運爪は使用するにつれて磨耗したり破損したりする。
耕運爪の幅の約半分程度磨耗してきたら交換する

耕運爪はロータリによって大きさ(号)があるので決まったものを取り付ける。

爪を換えたらロータリが揺れる?
耕運爪は必ず1setで交換する。部分的に換えると、使用時にロータリ全体が回転バランスを崩し振動したりすることがある。


なた爪
■耕運爪の取付について

普通ロータリは、一般に右図のように1個のホルダになた爪1本をボルト、ナット1セットを使い取り付けてある。また、ボルト、ナットの他に凹凸ホルダに専用爪を使い、落下防止でピンを使ってるものもある。

ロータリを後方から見て右図のように、ホルダの右側に六角穴(ボルト穴)がある場合は、なた爪の外面を六角穴側に向けて取り付ける。また、ホルダの左側に六角穴(ボルト穴)がある場合も同様に、なた爪の外面が六角穴側に向くように取り付ける。
ホルダRはなた爪R、ホルダLはなた爪Lを取り付けるということである。

ホルダR、L共に、ホルダ六角穴にボルトを挿入し、反対側でスプリングを入れナットをしっかり締め込む。耕運軸の両端にはなた爪左右1本づつと、偏心爪左右1本づつが取り付くが、この両端のホルダに限り例外で六角穴にはナットが入り、ボルトをスプリングを入れ締め込む。

一般に普通ロータリでは頭部17mmのボルト、ナットが使われ、他大きいものは頭部19mmのボルト、ナットが使われる。

爪の取付

畦立器(培土器)



畦立器は、ロータリのアタッチメントの一つで、苗床作りのための畦(畝)作り、排水のための溝作りなど様々な用途があり現在もっとも多く使用されている。
畦立器は多くの規格があるので、用途に合わせてもっとも適当なものを選ぶ。
以下に述べるものは、ロータリの後部真ん中に取り付ける両畦立てタイプのものである。

■取付について

取付は水平な場所であること、回りに人がいないこと、近くに何もなく作業できる十分な広さがあることを確認する。    
  • トラクターのデプス・スイッチを切る。デプス・スイッチが無いものはデプス・レバーを最深位置にする。
  • トラクターのサポートには畦立器以外は何も取り付けない。
  • 一般に耕運爪の配列は平面耕の状態にする。
  • 作溝底幅の広い両側用の畦立器を使用する場合は、耕運爪の配列をロータリ中心より外盛耕にしたほうが良い。
  • 片側用畦立器を使用する場合は、サポートの変形を防ぐため必ず引っ張り金具を取り付けて使用する。取付金具とロータリ本体パイプ間など。
  • 取り付ける畦立器の位置にあたる均平板の三角部分などを外して取り付ける。
  • 取付金具のボルトは確実に締めておく。
  • 回胴式ロータリの場合は「深」位置へ回胴させる。     
  • 均平板は、右図のように畦立器の上に被さるようにして固定させる。
  • 畦立器と耕運爪は接触しない程度に間隔をあける。
  • ロータリを床に降ろした状態で、畦立器は10㎜位浮いた感じでなるべく水平になるように、サポート調整ハンドルやサポート位置を変えて調整する。サポートはなるべく前位置にする。
畦立器の取付

使用について



  • トラクターは出来るだけ低速(1速)で、エンジン回転は2500rpm、PTOは、砕土性を良くし仕上がりを良くするため2~3速で作業する。
  • ロータリの昇降はポジション・レバー(油圧レバー)で行う。自動耕深装置(デプス)を切って使う。
  • 畦立器の微調整は角度調整ハンドルで行い、スキ先を上げると傾斜角が少し急になり、スキ先を下げると傾斜角が少し緩くなる。スキ先をやや上げにしたほうがきれいに仕上がる。
  • ハネの傾斜角、ナラシ板は作業してみて好みに合わせる。




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作成日:2008/1